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「HK-13」 テクニカル・インフォメーション
KT88 パラレルPP・モノーラル・パワーアンプ
■本機は「管球王国・Vol. 44」発表機です
■このページの技術情報は試作機の実測データが記載されています。素子のバラツキ等で個々の製品の特性は若干異なります。
■サンプル機試作後の検討で,一部設計が変更されているモデルもございます。
■詳細はメールにてご案内いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。

Page Index ■HK13の規格 ■HK13の価格 ■HK13の音質  ■HK-13のNFB
■HK-13の特性データ ■HK-13の回路図・実体図


■特性データ■     ■回路図・実体図■
測定値で注記のないものはULポジションにて測定 
モデル概要 ■KT88パレレルPP・モノーラル・パワーアンプ
■UL接続/3結接続・スイッチ切り替え可
■カソード・フォロワードライブ・固定バイアス方式
  プレート電流はシャーシ上面から調整可
■各出力管は単独でバイアス調整可
■推奨プレート電流の調整値:60mA(無信号時)
■音量調整ボリューム付き
■本機は「6L6GCパラレルPP」「EL34/6CA7パラレルPP」への対応も可能。
(6L6GCはバイアス調整のみで変更可、EL34は内部配線を一部変更により対応可)
使用真空管 KT88x8本 ECC82/12AU7x6本・・・(ステレオ・モノ2台分)
定格出力 85W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率5%時・・UL時
52W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率5%時・・3結時
最大出力 91W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率10%時・・UL時
58W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率10%時・・3結時
周波数特性 10Hz〜100kHz ±0.5dB以内 出力1W 8Ω負荷時
ひずみ率特性 0.05%以下・1kHz/10kHz/100Hz・出力1W時
NFB 10dB時のTHD
ゲイン 23.5dB・UL時  21.5dB・3結時 周波数1kHz
NFB 10dB・・標準値 定数変更により6dB〜最大15dB
(NFB15dBまではループゲイン位相特性ともに安定)
入力端子 アンバランスRCA端子・入力インピーダンス100kΩ
出力端子 8Ω,16Ω(または4Ω,8Ω対応可)
残留雑音 0.5mVrms以下
搭載トランス・型名 出力トランス:S-2492・・ISO特注品
電源トランス:S-2501・・ISO特注品
チョーク:EC-5-250S・・ISOカタログ品
AC電源・消費電力 AC100V 50/60Hz 145W(無信号時)
寸法・重量 (W)250x(H)55x(D)340mm・・・シャーシの寸法
トランス,ゴム足含む高さ:約185mm
重量:約14kg  いずれもモノーラル1台の値
付属資料 回路図・実体配線図・部品表       Page Top↑


■本体と真空管セットの価格は「モノーラル2台分」消費税・送料を含みます。
(沖縄県・離島の方への送料は別途お知らせします)
■真空管のブランドは代理店の在庫都合等により変更の可能性もあります。
本体パーツ・キット 真空管を除く全パーツセット ¥240,000
真空管セット KT88はQUAD(4本組)選別品x2・Svetlana
12AU7・Golden Dragon x6本(モノ2台分)
¥85,000
完 成 品 組立は手配線・バイアス調整済み ¥365,000
■「HK-13」のシャーシ、トランス・特注部品販売
シャーシ・1台 シャーシは穴加工済 ¥16,500
出力トランス・1個 ISO特注トランス・「S-2492」 お問い合わせ下さい
電源トランス・1個 ISO特注トランス・「S-2501」 お問い合わせ下さい
■チョークコイルは「EC-5-250S」 ISOカタログ品。詳細はこちらです   Page Top↑


「HK-13」の音質(管球王国Vol.44抜粋)
いつものとおりですが,組み立て終了後に簡単な特性チェックを経て,作業部屋にある16センチが4本つながれたフルレンジスピーカーで試聴してみます。この部屋の床面積は10畳あるのですが,壁で仕切って物置にしていたり,大きな作業テーブルの周辺には測定器やら何やらゴチャゴチャ置いていますので,実質“四畳半の隠れ家”と言ったところでしょうか。

こう言う部屋での試聴ですので,音量は上げられない反面,小音量時の再生品質が良くわかります。出力はピークでも0.5Wか1W位だと思いますが,100Wアンプだからと言って特別に大きな音量で聞くわけではありません。ふだん聴く音量は100Wアンプでも3Wアンプでも同じです。

基本的な音質傾向はKT88PPのHK-10と大きな変化はありません。これはHK-10と設計思想が同じですのでむしろ当然のことで,この段階で大きく変わってしまっては困るのです。しかし,少し聞き込んで行くうちに,何か静かに流れるゆとりのような空気感を感じます。小音量時の包み込まれるような空気感は,大出力アンプであることを忘れさせてくれます。

UL接続と3結接続の違いは顕著ではありませんが,3結時のメリハリが好印象です。

今度は別の部屋に設置されているマルチシステムのウーハーにつないで見ました。当然ながら“隠れ家”の音量とは違いますが,ここでもHK-10の音質と大きく変わりません。しかし,低域のエネルギー感は充実して,ダイナミックレンジの違いは明らかです。

これが100Wアンプの実力なのでしょうか。50Wと100Wアンプでは,電力レベルではわずか3dBの違いです。この3dBの違いのために費やす労力と費用は多大なものですが,これが真空管アンプ,費やした労力は必ずや報われるものと信じています。

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TAD TD-4001




JBL2225Jダブルウーハー
写真は視聴用のスピーカーシステム。ウーハーはJBL 2225J パラレル接続(8Ω)。エンクロージャーは約290リッター。中高域ドライバーはTAD TD-4001を使用したマルチアンプシステム。

カットオフは約600Hz/-12dB/Oct。写真のツイターは使用していない。このスピーカーシステムは1990年に導入、以来変更をしていない。
(チャンデバ→)

ドライバーTAD TD-4001のレスポンスの良さは、新作アンプの音質評価には欠かせない。ホーンはリスニングルームが10畳と狭いゆえ、JBLのバイラジアルホーン「2380A」を使用している。

ドライブアンプ、特にウーハー用アンプの選択は数知れない。大出力300W!半導体アンプ、マッキントッシュMC-60、MC-75、MC-240、マランツ#8b、もちろん小生オリジナル設計アンプ等々・・・、である。しかしいずれも短時間で置き換えを余儀なくされた。38cmのダブルウーハは“デカイ・重い”というだけでなかなかうまく鳴らない。

しかし、ここ数年KT-88パラレルPPパワーアンプ「HK-13」の開発でやっと満足できるアンプにめぐり合えた感がある。

ジャズを聴く機会が多いのだが、キックドラムの一発、良く弾むベースランニング、HK-13は38cmダブルウーハーを快適に駆動している。低域が充実すると、同時に中高域のクォリティーも向上する。
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「追 記」
HK-13の標準NFBは約10dBですが,ボード線図上では、NFB15dBまでは位相余裕・ゲイン余裕とも安定性は確保されています。

しかしながら、家庭内のリスニング・ルームでモニタースピーカー規模,具体的には38センチウーハーのシステムをお使いの方は,NFB量を8dB程度に低下させることをおすすめします。NFBの低下はダンピング・ファクターの低下を意味しますが,低域のふくよかさが増した心地良い低域は,特にジャズ系の再生では大口径ウーハーの真価が発揮されることでしょう。

一方,スタジオ等の業務用使用環境でのNFBは,12〜14dB位が適当です。


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