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ロレックス デイトナ Ref.126508 “ジョン・メイヤー 2.0”が新登場。

2025.06.30 (月)

ロレックス デイトナ Ref.126508 “ジョン・メイヤー 2.0”が新登場。

新作モデルのデリバリーが始まりつつあるが、それは単なるグリーンダイヤルの一種ではない。旧モデルとの比較を通じて、その本質に深く迫る。

ロレックススーパーコピー代引き 激安が新キャリバーを搭載したランドドゥエラーを発表した際、ロレックスだけに留まらず、すべてのブランドにおいて注目をさらった。しかし、HODINKEEで得られるインサイトの一端をお見せすると、私が書いた8本の新作(もしくは再発表)デイトナについてのシンプルな記事が、その週に公開された記事のなかで(ランドドゥエラーを除いて)、ほとんどのコンテンツよりも多くの閲覧数を記録した。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
 このようなエピソードは、たとえ時計にわずかな調整しか加えられていなくとも、いかにデイトナが今なお熱狂的な人気を誇っているかを物語っている。今回、本当の意味で刷新されたのは、ターコイズラッカーのダイヤルにオイスターフレックスブレスレットを組み合わせたイエローゴールドモデルただひとつであった。とはいえ、どうしても無視できない存在があった。そして私たちは、それに正面から向き合う必要があると分かっていた。アンコールに応えて、"ジョン・メイヤー "が装いも新たに帰ってきたのだ。

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 このYG×グリーンダイヤルのデイトナ(Ref.126508)の復活は、HODINKEEにとって“ひと区切り”とも言える出来事である。今から約6年前、ベン(・クライマー)がジョン・メイヤーという人物と時計収集の道のりに関するフォローアップの対談を行った際、彼はこう問いかけた。“誰もこれに気づかないなんて、どうして?”と。それこそが、オールゴールドのケースとブレスレットに、カラーダイヤルを備えたデイトナを見たコレクターが取るべき、そしてやがて実際に取ることになる反応であった。2016年に発表されたこのモデル(Ref.116508)は、ジョン・メイヤー デイトナとして知られるようになり、2023年に生産終了となるまで長らくラインナップに残り続けた(ブルーダイヤルのホワイトゴールドモデルも同時に終了)。

OG John Mayer Daytona
オリジナルのRef.116508 ジョン・メイヤー デイトナ。Photo credit Hodinkee.

 YGもWGも、ともにアップデートを施されて再登場を果たした。ただしブルーダイヤルの外観は以前とほとんど変わらない一方で、いわゆる“ジョン・メイヤー 2.0”(ネット上ではそう呼ばれているが、個人的には“チェアマン・メイヤー”と名づけたかった)には、より大幅な変更が加えられている。実質的かつ実用的な進化はケースの内部にあるが、最大の変化は文字盤が醸し出す雰囲気の変化であることに異論の余地はない。旧モデルのRef.116508は、グリーンダイヤルにグリーンのインダイヤル、さらに赤のアクセントを配していた。一方で新たなRef.126508では、イエローのインダイヤルが採用されており、その佇まいは1970年代後半のヴィンテージウォッチを想起させるものとなっている。個人的にこれは非常に意義深い改良だと感じている。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
 その理由を理解するには、少々歴史の授業に付き合ってもらう必要がある。もしそういう話が好みでなければ、この先の比較レビューのセクションまで飛ばしてくれてかまわない。大して気にしたりは…しない(たぶん)。

モダン(およびネオヴィンテージ)デイトナのデザイン言語小史
 スティール製のデイトナ、とりわけホワイトの“パンダ”ダイヤルは、多くの人にとって“聖杯”とされていることが多い。それも当然だと思う。デイトナファミリーのなかで最も手が届きやすく、着用の汎用性という点でも優れているからだ。ただ私はデイトナに対して独自の好みがあり、モダンデイトナのなかで最も好まないデザイン要素がふたつある。ひとつはイエロー、ホワイト、エバーローズゴールドのブレスレット仕様モデルに見られるメタルベゼル。もうひとつはほぼすべてのメタルブレスレット仕様のデイトナに採用されている、外周にリングをあしらったコントラストの強いインダイヤルだ。これらの要素は、それぞれ単独でも、あるいは組み合わさることで2023年にアップグレードされたばかりの最新ムーブメントを搭載する製品ラインとしては、どこか時代錯誤な“ネオヴィンテージ”感を漂わせているように感じる。これらのモデルは、過去そして私が思い描く今の完成形とのあいだに位置している。あるいは単に私が、よりヴィンテージロレックスらしいデザイン言語への回帰を望んでいるだけなのかもしれない。

16520
モダンデイトナに受け継がれているデザイン言語の源流が見て取れる、Ref.16520の一例。写真は過去のReference Pointsより引用。

 このリング状のインダイヤルが初めて登場したのは1987年(正式には1988年)であり、自動巻きデイトナ第1号であるRef.16520の発表と同時であった。このモデルはあらゆる面で大きく刷新されていた。エル・プリメロをベースとしたキャリバーの搭載に加え、ケースサイズもそれまでの37mmから40mmへと拡大され、デイトナと名付けられて以来、外観において最も大きな変化を遂げたモデルだった。もちろん、このインダイヤルのリングは傾斜のついたインダイヤルを備えていたRef.6239や、その前身であるプレデイトナ Ref.6238へのオマージュだと捉えることもできる。だが私にとって、このデザインはどうしても1980年代のネオヴィンテージモデルと結びついてしまうのだ。

 もうひとつ、触れておかねばならないのが、セラミックいや、“セラクロム”ベゼルである。ロレックス独自のこの素材は、いまやスポーツモデルやプロフェッショナルモデルの定番となっているが、最初にこのベゼルが採用されたデイトナのリファレンスを聞かれて、正しく答えられる人は意外と少ないだろう。その栄誉にあずかったのは、2011年に発表されたエバーローズゴールドのRef.116515であった。クリームダイヤルを備え、このモデルとしては実に23年ぶりとなるブラックベゼルを採用していた。そして2年後、デイトナ誕生50周年を記念して、ブラウンのセラクロムベゼルを備えたプラチナモデルが登場する。以降、この特徴はデイトナの主力ラインナップに次々と展開されていくことになる。ただしブレスレットと素材を揃えた貴金属製モデルの一部には、いまだこの仕様が採用されていない。

116515
Ref.116515 エバーローズ。

 もうひとつ押さえておくべき背景がある。それは1990年代初頭に、シンガー社が一部の初期自動巻きデイトナ用に製作していた、サンレイ仕上げのダイヤルである。この放射状のブラッシュ仕上げが施されたダイヤルはリング状のインダイヤルと組み合わされており、1990年から1991年にかけてきわめて少量しか製造されなかった。というのも(少なくとも一般的にはそう考えられているが)この種のダイヤルには商業的な需要がほとんどなかったため、市場で展開するには不向きと判断されたからである。その代わり、こうしたダイヤルは販売用としてではなく、ロレックスの最上層部に向けた特別なプレゼンテーションウォッチとして用いられたという逸話が残っており、そこからこのモデルには“チェアマン”という愛称が与えられた。2021年には、そうしたモデルのひとつがクリスティーズのオークションで約40万ドル(日本円で約4390万円)で落札されている。ある意味で、今回の新作Ref.126508は、モダンロレックスのなかでこの“チェアマン”ダイヤルに最も近い外観を持つモデルと言えるだろう。またブルーのサンバーストダイヤルにアラビア数字を配した後年のリファレンスにも、このデザインの系譜を見ることができる(とはいえ、Ref.116523のことを忘れていても無理はないが)。

Daytona
2021年にクリスティーズで落札された、デイトナ Ref.16528 “チェアマン”。

Daytona
 だからもし、あなたが私のようにデイトナの美学に対して細かいこだわりを持っているなら、おそらくはオイスターフレックス仕様のモデルに注目してきたはずだ。そこにはセラクロムベゼルとクラシックなインダイヤル構成が採用されている。実際、2023年に発表されたル・マン デイトナにおいて、私にとって“完璧な”モダンデイトナたらしめていたのは、記念モデルらしい“100”や“ロリポップ”インダイヤルの存在ではなかった。ブラックのセラクロムベゼルと、完全なリバースパンダ配色の組み合わせこそが決め手だったのだ。ル・マンはデイトナというモデルとその歴史の素晴らしさを凝縮したような存在であり、それをモダンなパッケージで、しかもメタルブレスレット仕様に落とし込んだ初めての1本であった。“ロリポップ”インダイヤルマーカーがなくとも、フル・リバースパンダの美観は、これまでで最も完成度の高いモダンデイトナのデザインに仕上がっていたと感じている。

LeMans Hands On
WGのオイスターフレックス仕様であるRef.116519LN、ル・マンモデルのRef.126529LN、そしてベンによるA Week On The Wristで登場したRef.116500LN。この3本を並べて見てみれば、左の2本がいかに“完成された”印象を持っているかは、一目瞭然ではないだろうか。

新作“ジョン・メイヤー”との対峙(もちろん比喩的な意味で)
Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
 Watches & Wondersの開催期間中、ジュネーブの会議室で深夜にロレックスのウェブサイトが更新された瞬間、まず目を引いたのは、新作デイトナ Ref.126508のインダイヤルが全面YG仕上げになっていたこと、そしてそれ以上に、ダイヤル全体に施されたグリーンのサンバースト仕上げが放つ強烈な色彩だった。グリーンのサンバースト仕上げが施されたダイヤルの、その色味の強さにも目を奪われたのだ。実機を見ていない多くのレビュー(やリール動画)では、このダイヤルこそが最も大きな変更点のひとつであると指摘されている。それは間違っていないが、完全に正しいとも言い切れない。その違いを理解するために、下に掲載したオリジナル(最初の画像)と新作(続く2枚の画像)を比較してみて欲しい。

Rolex 116508
ロレックス Ref.116508 のアーカイブ写真。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
新作 Ref.126508。風防に映り込む反射がダイヤルのグリーンを引き立たせているが、そのほかの部分はよりブラックに近い色味となっている。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
新作 Ref.126508 の別角度からのカット。

 前世代のRef.116508と比較すると、確かにグリーンはやや明るくなったように見える。ただし、ロレックスの製品ページに掲載されている画像(おそらくレンダリング)ほど劇的な違いではない。あの画像は、影も光の角度も存在しない不自然なライティング下で撮影されており、光の当たり方によってダイヤルの高光沢サンバースト仕上げがどのように表情を変えるか、つまり実機が持つ本来の魅力をほとんど捉えていない。実際には影や柔らかな光の下では、ダイヤルのメイン部分はぐっと暗くなり、グリーンの色味はインダイヤルの放射部分や、光のハイライトが当たって緑がかすかに輝く部分でのみ現れる。たしかに違いはあるが、それはインダイヤルの明度が増したことによって際立って見える側面が大きい。場合によってはむしろ以前よりも控えめに見えることさえあるかもしれない。

Rolex 126508
 Ref.126508も、前モデルと同様に“5ライン”仕様となっている。すなわち、文字盤上にはRolex、Oyster Perpetual、Superlative Chronometer、Officially Certified、Cosmographの5行の表記が並ぶ。また6時位置のインダイヤル(スモールセコンドを表示)上部には、従来同様に赤いデイトナロゴが配されている。YG調のスプレー仕上げが施された各インダイヤルの中心部には、針の軸を起点に放射状のサンバースト仕上げが施されている。その周囲には、従来の赤に代わって黄色のプリントサークルが追加されており、目盛りはマットな仕上げのなかにブラックで印刷されている。針とアプライドインデックスはYG製で、いずれもクロマライト夜光を備えている。

Rolex 126508
 おそらく、今回のモデルにおける最も重要なアップデートは、新たに搭載されたCal.4131である。このムーブメントは、2023年以降のデイトナコレクションに採用されている、垂直クラッチとコラムホイールを備えた新世代のムーブメント群のひとつであり、プラチナ製デイトナ(ル・マンモデル)ではシースルーバックを通じてその姿を確認することができる(ル・マンモデルに搭載されているのはCal.4132)。初代“ジョン・メイヤー”の生産終了は、このCal.4130の終焉とも連動していた。ロレックスとしては、旧型ムーブメントと新型ムーブメントの2系統を同時に生産し続けるような体制は避けたかったのだろう。ただし同時に、製品ライン全体を一気に刷新することも望まなかったようだ。

 Cal.4131は、2万8800振動/時で作動し、72時間のパワーリザーブを備える。クロナジーエスケープメント、パラフレックス・ショックアブソーバー、最適化されたボールベアリングを搭載し、前モデルのCal.4130よりも部品点数が少ない一方で、仕上げはより洗練されている。とはいえその仕上げを見ることはできない。というのも、ロレックスはこのモデルにシースルーバックを採用せず、裏蓋をクローズドに保っているからだ。個人的には、この判断に何の不満もない。ロレックスのムーブメントは、工業製品としては最高レベルの仕上がりを誇るが、それをわざわざ見たいとは思わないし、むしろ私は裏蓋に刻印ができる方が好ましいとさえ思っている。とはいえ新ムーブメントが注目の的になることはまれであり、今回もやはり主役の座を奪ったのはダイヤルであった。

2000ドル以下で選ぶ、夏を楽しむための腕時計7本

2025.06.30 (月)

春の陽気を感じはじめると、私はまるで多重人格のように時計の趣味が豹変する。これまでのネオヴィンテージや小径ケースへの愛着いったん脇に置かれ、気軽で楽しく、そして外でのアクティビティにも付き合ってくれるような時計を求めはじめるのだ。たとえばグラベルバイクでのトレーニング中や、湖に飛び込む瞬間に寄り添ってくれる、非接続型の頼れる相棒としてなど。楽しい腕時計はツールウォッチ並みのタフさから、時刻も伝えるポップアートのようなモデルまで、品質やスタイルを犠牲にすることなく適正な価格で手に入る。夏に向けたインスピレーションが欲しいなら、次のリストをぜひチェックして欲しい。ビーチでの1日、湖畔の週末、あるいは陽だまりの帰り道にもぴったりなセレクションを紹介する。

スウォッチ スクーバクア
ウブロスーパーコピー代引き 激安バイオセラミック製の44mm径スウォッチ、スクーバクアはその大振りなサイズ感も相まって、価格以上の満足感をもたらしてくれる。今季は新たに4色の夏らしいカラーバリエーションが登場。雰囲気はどこか懐かしくもシンプルで、オリジナルスウォッチに通じる親しみやすく透明感のあるサマーピースである。一見するとおもちゃのような愛嬌を持ちながらも、水泳やシュノーケリングにも対応する本格的な性能を備えている点が見逃せない。ベゼルには夜光付きの15分トラックを備え、100mの防水性能を誇る。ラバーストラップは安心感のある爪のようなスウォッチ独自のラグ構造でケースに接続されており、ケースからストラップにかけてはツートーンのフレッシュなデザインが統一されている。10時位置に配置されたリューズも使い勝手を考慮したエルゴノミックな設計だ。

swatch scubaqua
 スクーバクアはその名前以上にファンキーなスウォッチであり、厚さ15.4mmのケースながらも価格は非常にお手ごろ。予算にやさしい点も大きな魅力だ。手首での存在感を控えめにしたいならブラック シー ネトルがうってつけだが、私のおすすめは90年代的なフラッシュ感をためらいなく放つオーレリア・オーリタバージョン。クラゲにちなんだその名のとおり、3色の針が遊び心を加えてくれる。

 価格はラバーストラップ仕様で2万2550円(税込)。詳細はスウォッチ公式サイトから。

トゥセノー シェルバック V2
 スウェーデン発のトゥセノー(Tusenö)は、ツールウォッチという国際言語を巧みに操るブランドである。一見すると、ケースデザインにはセイコーの62MASリデザインをほうふつとさせる要素があり、最近の小径化トレンドのなかであえて40mmというサイズを貫くダイバーズウォッチだ。だが、シェルバックは単なる懐古趣味にとどまらない、揺るぎないモダニティを宿しており、ルミノバの発光性能も一級品である。実際、手首につけて試したことがあり、その精密なつくり込み、すっきりとしたモダンなライン、そして驚くほどのルミナスに太鼓判を押したい。なかでも印象的なのは、6時位置のスマイリーフェイスのロゴのような意外性あるディテール。タイポグラフィにこだわる人には少々引っかかるかもしれないが、時針がゆっくりとその上を通過する際、ロゴの文字が時針先端の円形フレームにぴたりと収まる様子は思わず見入ってしまう精緻な遊び心だ。

tuseno shellback
 こうした小さなことが違いを生み、鮮やかなサンドイッチダイヤルや堅牢なブレスレットデザインもその一因である。この分野で完成度を突き詰められるブランドは意外と少ない。とりわけテーパードのフラットリンクデザインは、どこかタグ・ホイヤーを想起させる仕上がりで、ずっしりとした存在感を放つ。全面サテン仕上げでたわみは一切なく、ダイバーズクラスプには3段階で調整可能なスライド式マイクロアジャスト機構を搭載。さらに表面には1200ビッカースの硬化処理が施されており、ヘアラインの傷を効果的に防いでくれる。仮にこれが完全にアジア製の時計であったとしても、私はシェルバック V2を高く評価したと思う。だが実際にはスイス製であり、ムーブメントにはセリタ製SW200のエラボレグレードを採用している。これが1000ドル(日本円で約14万円)を大きく下回る価格で手に入るのだから、その価値は疑いようがない。

 価格はステンレススティール製ブレスレット仕様で749ドル(日本円で約11万円)。詳細はトゥセノー公式サイトから。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフ
 私は、初代フォーミュラ1コレクションのカタログを所有していた世代であり、それが時計への情熱に火をつけた大きなきっかけであった。多くの人にとっても、あのモデルはスイス時計への入門編として機能し、気がつけば目まぐるしく回る時計収集のメリーゴーラウンドへと誘われることになった。私の場合、その回転は今も止まることがない。そして今回、タグ・ホイヤーが投入した最新のソーラーグラフバージョンは、その原点を鮮やかに呼び起こしてくれるモデルだった。これはブランドにとっても実に堅実な一手である。

tag heurer F1 solargraph
 初代フォーミュラ1を覚えている世代であれば、クォーツのツールウォッチとしてはやや高価に感じるかもしれない。だが実際に手に取ってそのクオリティを目の当たりにすれば、38mmのこのスポーツウォッチが、その価格に見合うものであることはすぐに分かるはずだ。さらにすべてのモデルが、太陽光で充電されるソーラー駆動式。外に出て、ついでに日焼けも楽しもう。

 ブレスレット仕様で価格は28万6000円(税込)。詳細はタグ・ホイヤー公式サイトから。

ドクサ サブ 200T アクアマリン
 ヴィンテージテイストのダイバーズウォッチへの熱が冷めつつある、という声も聞かれるが、ドクサ(Doxa)はその流れに真っ向から反論している。私自身、かつてサブ 300を所有していたことがあり、今でも手放したことを後悔している。そんななかサブ 200Tの再設計されたケースを目にして、その思いはいっそう強まった。このモデルは、私の夏のウィッシュリストに確実に加わる1本だ。ドクサならではのブランドDNAと、(ジャック=イヴ・)クストーの伝統をしっかりと受け継ぎつつ、それをコンパクトな39mmサイズに凝縮した魅力的な仕上がりとなっている。

doxa 200T aquamarine
 200mの防水性能を、厚さわずか10.7mmというスリムなケースに収めたこのモデルは、日常使いに理想的なスポーツウォッチといえる。ムーブメントには信頼性の高いスイス製のセリタ SW200-1を搭載しており、無駄のない堅実な構成が魅力だ。私が夏の1本として断然おすすめしたいのは、アクアマリンのモデルに見る涼やかなターコイズの輝き。このカラーはヴィンテージ感あふれるデザインにモダンなコントラストを添えており、実に見事なバランスを実現している。

 装着感に優れたFKMラバーストラップ(ダイヤルと同色)仕様で価格は1550ドル(日本円で約22万円)。詳細はドクサ公式サイトから。

マラソン MSAR アークティック エディション 36mm
 近年、多くのアウトドア愛好家たちはGPS機能を備えたスマートウォッチを愛用しているが、私にとってマラソン(Marathon) MSAR アークティック エディション 36mmはそうした流行への、堅牢かつ小型のアナログな解決策のような存在である。マラソンファミリーのなかで最小サイズとなるこのモデルは、36mmのSSケースに収められた堅牢な構造を持ち、13mmという安心感ある厚みと18mm幅のソフトラバーストラップが装着感を高めている。その小ささに反して、タフさと存在感をしっかり兼ね備えたモデルである。

marathon MSAR
MSAR アークティック 36mmの自動巻きモデルは、この冒険譚に登場するコール・ペニントンが実際に着用していた1本である。

 この時計は、まさにツールという言葉の真の意味を体現しており、300m防水を誇るダイバーズスペックの堅牢さと、フィールドウォッチを思わせる24時間表示付きのクリアなホワイトダイヤルを融合させた、魅力的な時計だ。60分スケールのベゼルも操作感に優れ、タイミング計測に重宝する。ムーブメントにはETA製ハイトルクFØ6クォーツを搭載。年差±10秒という高精度と、まさに防弾級の信頼性を誇る。またトリチウムガス入りのインデックスは常時発光するため、私が計画している亜寒帯のキャンプ地でも大いに役立つはずだ。

 ラバーストラップ仕様で価格は900ドル(日本円で約13万円)。詳細はマラソン公式サイトから。

ファーラー アーバー リッサム
 暑さが押し寄せるこれからの季節、気分までゆったりと緩やかになってくる日もある。そんなときにぴったりなのが、英国ブランドファーラー(Farer)が提案する新作リッサム コレクションだ。38mmというサイズ感も手伝い、リラックスしたエレガンスが際立つ。なかでもアーバー リッサムはラズベリーレッドのダイヤルが印象的で、ヴィンテージ感を漂わせつつもそこにはモダンな解釈がしっかり息づいている。アプライドのローマ数字インデックスはすっきりとしたデザインで視認性にも優れており、スーパールミノバとセラミックを融合させたLumicast®素材が暗所での視認性をさらに高めている点も見逃せない。クラシカルと現代性が絶妙に交差するこのモデルは、暑い季節のゆるやかな一日を彩るのに最適である。

farer lissom watch
 テクスチャーのあるダイヤルの上でオレンジのスモールセコンド針が鮮やかに際立ち、さらに同系色のラズベリーカラーのスエードストラップがこのモデルの魅力を決定づけている。マットブラックのモノクロなツールウォッチを愛する人にとっては思わず眉をひそめたくなるかもしれない。だがそれこそが新しい季節を楽しむための最良の選択肢なのかもしれない。アーバー リッサムはスイス製で、ムーブメントにはラ・ジュー・ペレ製の手巻きD100ムーブメントを搭載。ソワニエグレード(Soigné-grade)で4姿勢調整済み、青焼きビスやブランド独自の装飾が施されるなど、仕上げにも抜かりがない。洗練されたデザインとスリムな装着感を兼ね備えたリッサム コレクションは、カラーで笑顔を誘い、価格以上の価値を提供してくれる。

 価格はストラップの種類にかかわらず1295ドル(日本円で約19万円)。詳細はファーラー公式サイトから。

ミスター・ジョーンズ カオシファイ
 夏のある日には、時間のことなど思い出したくもない。そんな気分になることがある。だからこそ私は読みやすさを少し犠牲にしてでも、ミスター・ジョーンズ(Mr Jones)の芸術的な腕時計を選びたくなるのだ。ロンドンのコヴェント・ガーデンに拠点を構えるこのブランドは、アーティストやイラストレーターに依頼し、SS製のケースを表現のキャンバスへと変貌させている。その一例が、イラストレーターMr. Philによってデザインされたカオシファイ メカニカル(Khaosify Mechanical)。40mmのこのモデルは伝統的な針を排した設計で、想像力の表現そのものといえる。時刻の読み取りもユニークで、白い雲の目のキャラクターが時を、白い矢印状の生き物が分を示す仕組みになっている。まさに時を忘れて楽しむための、アートピースとしての腕時計である。

mr jones watch
 こうしたキャラクターたちは、薄い透明ディスクに多層プリントで描かれており、なかにはムーブメント本体、セリタ SW200にも大胆にプリントされたものが存在する。ミスター・ジョーンズウォッチと同様、カオシファイは時計づくりとデザインにおけるアートを、肩の力を抜いた楽しい視点から捉えたものである。

 レザーストラップ仕様で価格は695ドル(日本円で約10万円)。詳細はミスター・ジョーンズ公式サイトから。

レイモンド・ウェイル GPHG受賞作のミレジムに9本の新作が新登場。

2025.06.30 (月)

レイモンド・ウェイル GPHG受賞作のミレジムに9本の新作が新登場。

ヴィンテージに着想を得た進化が、ラグジュアリーな時計製造をより広い層へ。

レイモンド・ウェイルはこの春、ロレックススーパーコピー代引き 激安9つの新作モデルを発表することで、記念年を待たずともブランドが大きなインパクトを与えられることを証明しました。ジュネーブを拠点とする家族経営の時計ブランドは、2026年に迎える創業50周年を前に、すでにその存在感を強く打ち出しています。評価の高いミレジムコレクションに、6本の新しい35mmモデルと3本の新しい39mmクロノグラフを加えることで、初代モデルの成功をさらに発展させています。

まずは、2023年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でチャレンジ部門を受賞した、ミレジム スモールセコンドから紹介しましょう。このコレクションには、ヴィンテージの精神と成功の鍵となった精緻なウォッチメイキングのディテールを受け継ぐ新たな35mmモデルが4本加わり、ラインナップがさらに充実しました。スティール製の3モデルはサーモンカラーのダイヤルにグレーストラップ、ミントカラーのアクセントを効かせたアンスラサイトダイヤルにエイジング加工のブラウンレザーストラップ、そしてシルバーダイヤルにグレーストラップというラインナップです。4本目のモデルは、クリーム色のダイヤルにローズゴールドPVDケース、バーガンディストラップを組み合わせ、ラグにはラボグロウンダイヤモンド16石があしらわれています。ドーム型のサファイアクリスタルはレトロな雰囲気を高めながら、優れた視認性も確保しています。

センターセコンドを好む方のために、レイモンド・ウェイルはふたつのバリエーションを追加しました。ひとつは光の加減で繊細に表情を変えるセージグリーンのダイヤル。もうひとつは、ラボグロウンダイヤモンド16石をあしらったケースに、上品なクリームダイヤルを組み合わせたモデルです。いずれも、しなやかで快適な装着感をもたらす5連リンクのSSブレスレットを備えています。

今回の新作コレクションを締めくくるのは、3・6・9時位置にインダイヤルを配した3本の新しい39mmクロノグラフで、リバースパンダから着想を得たデザインが特徴です。SSモデルはアンスラサイトのダイヤルにシルバーのインダイヤルを組み合わせ、ヴィンテージスタイルのスーパールミノバ入りインデックスを備えています。一方、よりラグジュアリーな雰囲気を醸すローズゴールドPVDコーティングのスティール製モデルは、ブラックダイヤルにホワイトのカウンターを配し、ドレッシーな印象に仕上がっています。オベリスク型の針と、厚さわずか12.9mmのスリムなケースフォルムにより、抜群の装着感を実現。シースルーバックのケース越しには美しく仕上げられたムーブメントを堪能することができます。

Raymond Weil Chronograph
ムーブメントについて触れると、スモールセコンドモデルには機械式自動巻きCal.RW4250が、センターセコンドモデルには同じく自動巻きのRW4200が搭載されており、いずれも約41時間のパワーリザーブを備えています。またクロノグラフには、最大約62時間のパワーリザーブを誇る自動巻き機械式ムーブメントRW5030が搭載されています。

価格は、35mmのミレジムコレクションが34万1000円から41万8000円、クロノグラフモデルは3625ドル(日本円で約52万円)から3775ドル(日本円で約54万円)となっています(編注;新作クロノグラフモデルは日本での展開はなし)。

我々の考え
レイモンド・ウェイルが2023年のGPHGチャレンジ賞を受賞したのは、当然の結果と言えるでしょう。今回拡充されたミレジムコレクションは、ヴィンテージに着想を得たデザインと現代的な洗練が見事に調和しており、非常に印象的です。このコレクションはいくつもの魅力的なポイントを備えています。まず優雅な美観、なかでもサーモンダイヤルは特に引きつけられる存在です。さらに35mmと39mmという汎用性の高いケースサイズは、さまざまな手首にフィットします。そして経済情勢が不透明な今の時代においても手の届く価格設定である点も見逃せません。個人的にも、このコレクションには大きな魅力を感じています。

RW 35mm on steel braclet
 とりわけ私が引かれるのは、セクターダイヤルやスモールセコンドといった伝統的なウォッチメイキングの要素を取り入れつつ、現代的な雰囲気を損なわずに仕上げている点です。繊細なカラーバリエーションや仕上げ技法の数々は、手の届く価格帯でありながら、レイモンド・ウェイルが細部にまで心を配っていることを物語っています。CEOのエリー・ベルンハイム(Elie Bernheim)氏が語るように、これらの時計は“スイスウォッチメイキングの伝統に対する献身”を反映しつつ、同時に“手に取りやすい価格”であることを目指しています。価値がますます重視される現在の市場において、こうした理念はまさに評価に値すると言えるでしょう。

 2026年に迎えるブランド創業50周年に向けて、レイモンド・ウェイルがどのようなサプライズを用意しているのか、想像が膨らみます。もし今回のミレジムコレクションがその前触れであるとすれば、私たちは間違いなく特別な何かを目にすることになるでしょう。

基本情報
ブランド: レイモンド・ウェイル(Raymond Weil)

ミレジム スモールセコンド(Millesime Small Seconds)
型番: 2130-STC-80001(サーモンダイヤル)/2130-STC-60521(アンスラサイトダイヤル)/2130-STC-65001(シルバーダイヤル)/2130-C5S-64001(ローズゴールドPVD)
直径: 35mm
厚さ: 10.25mm
ケース素材: ステンレススティール/RGPVDコーティングのSS(2130-C5S-64001)
文字盤: サーモン/アンスラサイト/シルバー/クリーム
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: グレーカーフレザー(2130-STC-80001、2130-STC-65001)/ブラウンカーフレザー(2130-STC-60521)/バーガンディカーフレザー(2130-C5S-64001)、すべてSSバックル(2130-C5S-64001はRGPVD加工)

ミレジム センターセコンド(Millesime Central Seconds)
型番: 2125-ST-52011(セージグリーンダイヤル)/2125-STS-64001(クリームダイヤル)
直径: 35mm
厚さ: 9.18mm
ケース素材: SS
文字盤: セージグリーン/クリーム
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレット、フォールディングクラスプ(ダブルプッシュ式セキュリティシステム付き)

ミレジム クロノグラフ 39mm(Millesime Chronograph 39mm)
型番: 7765-ST-60651(アンスラサイト×シルバー×ブレス)/7765-STC-6065(アンスラサイト×シルバー×カーフ)/7765-PC5-20631(ブラック×ホワイト)
直径: 39mm
厚さ: 12.9mm
ケース素材: SS/RGPVDコーティングのSS
文字盤: アンスラサイト×シルバー/ブラック×ホワイト
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレット/キャメルカーフレザーストラップ/ブラックカーフレザーストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: RW4250(スモールセコンド)/RW4200(センターセコンド)/RW5030(クロノグラフ)
機能: 時・分表示、スモールセコンド(RW4250)/時・分表示、センターセコンド(RW4200)/時・分表示、スモールセコンド、クロノグラフ(RW5030)
パワーリザーブ: 約41時間(スモールセコンドおよびセンターセコンド)/約62時間(クロノグラフ)
巻き上げ方式: 自動巻き

価格 & 発売時期
価格: 34万1000円(スモールセコンド)/41万8000円(スモールセコンド×RGPVD)/30万8000円(センターセコンド)/36万3000円(センターセコンド×ラボグロウンダイヤモンドケース)、すべて税込。
クロノグラフは3625ドル(日本円で約52万円)から3775ドル(日本円で約54万円)。日本での展開はなし