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ブレゲが2種のジュエリーウォッチを発表~

2025.12.10 (水)

レーヌ・ドゥ・ナープル クレイジー・フラワーとペルル・アンぺリアル、2つのジュエリーウォッチ

「レーヌ・ドゥ・ナープル」は、ブレゲのサインが記されたコレクションの中で唯一100% フェミニンなコレクションです。ブレゲは、マニュファクチュールの250周年を記念して2つの新作、「クレイジー・フラワー」と「ペルル・アンぺリアル」を発表します。この機会のためにブレゲゴールドで作られた2つのモデルは、オートジョアユリーの世界を展開します。

しなやかなでエレガント、そしてナチュラル。「レーヌ・ドゥ・ナープル」の2つの新作「クレイジー・フラワー」と「ペルル・アンぺリアル」は、同じDNAを共有しています。これらは、繊細なオートオルロジュリー(高級時計製造)とオートジョアユリー(高級宝飾技術)に結びついているのです。
「クレイジー・フラワー」は、スーパーコピー時計 代引き全部で436個ものダイヤモンドが用いられ、ケースから文字盤、ベゼル、ケースバンド、リュウズに至るまで全面的に施されています。ケースについては、温かみのあるブレゲゴールドに対してダイヤモンドの輝きが強く放たれるように、自由に動く仕組みのセッティングが取り入れられています。また、アコヤパールを配した「ペルル・アンぺリアル」は、オパールの文字盤がダイヤモンドで埋め尽くされています。

「レーヌ・ドゥ・ナープル クレイジー・フラワー」 が告げる貴重な時
風によって揺れる花をイメージした「レーヌ・ドゥ・ナープル クレイジー・フラワー」は、ダイヤモンドに手首のしなやかな動きを表現します。
この時計は花のプルメリアから直接想を得ていて、花の白や黄色がダイヤモンドやブレゲゴールドに反映されています。
ブレゲのジュエリー職人は、このモデルのために完全な手作業による三重の動く花冠を考案しました。この花冠にはバゲットカット・ダイヤモンドが全面的にパヴェセッティングされ、同心円の描く3つの楕円の輪には「レーヌ・ドゥ・ナープル」コレクションの特徴的な輪郭が正確に再現されています。ダイヤモンドは、宝石が揺れ動くように作られたブレゲゴールドによる3つの台に手作業でひとつずつ留められました。ダイヤモンドをパヴェセッティングした花冠はまた、手首の自然なカーブに沿うように二重に湾曲していて、手首が優雅に軽やかに動くと「クレイジー・フラワー」に命が宿り、どこまでも滑らかな揺らぎが生み出されます。

時計の中心部を占める文字盤にも全面的にダイヤモンドのパヴェセッティングを施し、文字盤下部の中央に2本のブレゲ針が配置されています。ブレゲゴールドで作られた針は、文字盤の自然なカーブに合わせ、手作業で入念に中心軸に取り付けられています。

時と分は、20個のバゲットカット・ダイヤモンドによるトラックに沿って示されます。その周囲全体に渡って文字盤の湾曲した面にはユニークなダイヤモンドのセッティングが用いられています。この特異な造形のために特別に開発されたのは、逆向きのセッティング、すなわちダイヤモンドのテーブルが下、キューレットが上です。これが象徴するものは明白です。
ダイヤモンドのひとつひとつが花のめしべを再現しているからです。結果として得られたのは、ユニークで通常とは異なる輝きです。太陽光線はダイヤモンドによる花のめしべの周囲に集まり、貴石の森を横切って蛇行し、ブレゲゴールドの曲線や渦巻の中で輝きを放ちます。

ケース1 2 時側にブレゲゴールドによるBreguetのサインを記したロゴが置かれ、38時間パワーリザーブが備わるキャリバー586/1が組み込まれています。厚さがわずか3.9mmのムーブメントは、サファイアクリスタルのケースバックから見ることができ、プラチナ製の自動巻ローターには手作業のギヨシェ彫りによってバイカラーの「プチ・トリアノン」模様が初めて刻まれています。これは、ブレゲ・マニュファクチュールの250周年を記念する一連の新作のひとつであることを物語っています。

受注で製作されるこの時計は、それぞれサテン調の加工を施したシャンパンカラーのアリゲーターレザーストラップを組み合せ、28個のダイヤモンドを配したブレゲ三つ折りデプロワイヤントバックルが付属します。「レーヌ・ドゥ・ナープル クレイジー・フラワー」に用いられたダイヤモンドは、全部で436個、計37.2カラットにのぼります。

レーヌ・ドゥ・ナープル ペルル・アンぺリアル : アコヤパールを称えて
「レーヌ・ドゥ・ナープル ペルル・アンぺリアル」の場合は、素材の構成でアコヤパールに焦点が置かれています。最も貴重とされるアコヤパールには完全に滑らかな表面や丸い形、虹彩が備わり、19世紀末から日本で養殖されてきたそのパールが、このタイムピースの中心に輝いています。

ブレゲ・マニュファクチュールは物語の舞台を同じ世紀のヨーロッパへと移します。当時のレーヌ・ドゥ・ナープル、すなわちナポリ王女のカロリーヌ・ミュラ(1782 – 1839年)は、手首に着ける時計として考案された本当の意味で初の「腕時計」をアブラアン-ルイ・ブレゲから手に入れました。

「レーヌ・ドゥ・ナープル ペルル・アンぺリアル」は、ダイヤモンドとフォルムとの微妙な対話を表現しています。ケースバンドやフランジ、ベゼルなど至る所を装飾するダイヤモンドには、ハート形をした爪によって唯一無二の独創的なセッティングが用いられています。ケースを取り巻く格子の石留めでは、バットと呼ぶゴールド製の台の窪みにカットがグラデーションを成す38個のダイヤモンドがセッティングされています。
ブレゲゴールド製の窪みのひとつひとつは、手作業によって掘られ、磨かれ、熱で接合されています。

文字盤はスノーセッティングで211個のブリリアントカット・ダイヤモンドで覆われ、12時位置にペアシェイプ・ダイヤモンドがひとつ配されています。またオパールを用いた時刻表示のオフセンターダイヤルではブレゲゴールド製のブレゲ針が回転します。ブラジル原産のオパールは、グリーン、ピンク、ブルーなどを経てグリーンからグレーへと移り変わる虹彩を放ち、ブレゲゴールドによる4つのブレゲ数字と8つのインデックスがチャプターリングを成します。
ケースの6時側では、完全な球形のアコヤパールが楕円のケースに応えます。丸い形のアタッチメントは「レーヌ・ドゥ・ナープル」の美しいデザインの特徴として有名ですが、ここではアコヤパールがそれを演じています。ソフトでセンシュアルなアコヤパールは、その繊細な虹彩をもってベゼルの一部に成す一方で、ブレゲゴールドを用いた初のブレスレットにも広がり、ブレスレットの中央列をまさにアコヤパールが構成しているのです。相対するそれぞれ2列のリンクはブレゲゴールドで作られています。

素材とコントラストが手首に華やぎをもたらすパールとゴールドを橋渡しするのは、しなやかにリンクが連結するブレスレット構造です。また、サテン調の加工を施したシャンパンカラーのアリゲーターレザーストラップを組み合わせたモデルもあります。
「レーヌ・ドゥ・ナープル ペルル・アンぺリアル」の裏面は、ケ・ド・ロルロージュ模様のギヨシェ彫りに縁取られたサファイアクリスタルのケースバックからプラチナ製の自動巻ローターに「プチ・トリアノン」模様をギヨシェ彫りしたムーブメントが見えます。個別番号とBreguetのサインが刻まれたキャリバー586/1は、38時間のパワーリザーブが備わります。

【仕様】
レーヌ・ドゥ・ナープル クレイジー・フラワー
品番:GJE25BH208985DB
価格:要問合せ
保証:購入から5年の国際保証

ケース:18Kブレゲゴールド
・ケースサイズ:縦32.1mm×横24.5mm/厚さ10.7mm
・116個(34.6カラット)のバゲットカット・ダイヤモンドを可動式にパヴェセッティング
・フランジに66個(0.1カラット)のブリリアントカット・ダイヤモンド
・片面に反射防止コーティングを施したサファイアクリスタル(文字盤側)
・「BREGUET 250 YEARS」の刻印と内側に反射防止コーティングを施したサファイアクリスタル
・ケースバック側:ケースバックに手作業による「ケ・ド・ロルロージュ」模様のギヨシェ彫り
文字盤:18Kブレゲゴールド
・206個(約0.8カラット)のダイヤモンドを上下に逆にパヴェセッティング
・および20個(約0.4カラット)のバゲットカット・ダイヤモンド
・18Kブレゲゴールド製の湾曲したブレゲ針
・18Kブレゲゴールド製のBreguetロゴ
・表示時・分表示
ムーブメント:キャリバー586/1(自動巻)
・ムーブメントサイズ:6 3/4リーニュ、直径15.3mm/厚さ3.9mm
・3Hz
・個別番号とBreguetのサイン
・部品数180個
・29石
・手作業のギヨシェ彫りで「プチ・トリアノン」のモチーフを施した、
・18Kブレゲゴールド仕上げのプラチナ製ローター
・振動数3Hz (毎時21,600回)
・シリコン製ひらひげゼンマイ、
・シリコン製ホーンのインバーテッド・レバー脱進機
・38時間パワーリザーブ
ストラップ:シャンパンカラーのアリゲーターレザー
・28個(0.218カラット)のダイヤモンドをパヴェセッティングした
・18Kブレゲゴールド製デプロワイヤントバックル
ボックス:当時ブレゲが使用していたモロッコ革のケースから着想した赤いレザーの250周年スペシャルエディションボックス、個別番号入り
[使用総数]
ブレゲゴールド:重さ約91.5g
プラチナ:重さ約1.6g
宝石総数:436個
総カラット数:37.2カラット


レーヌ・ドゥ・ナープル ペルル・アンぺリアル
品番:GJ29BH89254DD5J4
価格:要問合せ
保証:購入から5年の国際保証

ケース:18Kブレゲゴールド
・ケースサイズ:縦32.8mm×横26.4 mm/厚さ9.9mm
・ケースバンドに24個 (約0.2カラット)のブリリアントカット・ダイヤモンド
・フランジに66個 (約0.1カラット)のブリリアントカット・ダイヤモンド
・取り巻きとしてベゼルに23個(4.1カラット)のブリリアントカット・ダイヤモンドと15個(約0.9カラット)
の爪留めによるブリリアントカット・ダイヤモンド、および1個のアコヤパール
・リュウズにブリオレットカット・ダイヤモンド
・片面に反射防止コーティングを施したサファイアクリスタル(文字盤側)
・「BREGUET 250 YEARS」の刻印と内側に反射防止コーティングを施したサファイアクリスタル
・(ケースバック側):ケースバックに手作業による「ケ・ド・ロルロージュ」模様のギヨシェ彫り
文字盤:オパールとブリリアントカットおよびペアシェイプのダイヤモンド(計211 個で約0.5カラット)
・オフセンターのチャプターリングに18Kブレゲゴールド製のインデックスと
・18Kブレゲゴールド製のブレゲ数字
・18Kブレゲゴールド製のブレゲ針
・表示時・分表示
ムーブメント:キャリバー586/1(自動巻)
・個別番号とBreguetのサイン
・ムーブメントサイズ:6 3/4リーニュ、直径15.3mm/厚さ3.9mm
・部品数180個
・29石
・手作業のギヨシェ彫りで「プチ・トリアノン」のモチーフを施した、
・18Kブレゲゴールド仕上げのプラチナ製ローター
・振動数3Hz (毎時21,600回)
・シリコン製ひらひげゼンマイ
・シリコン製ホーンのインバーテッド・レバー脱進機
・38時間パワーリザーブ
ブレスレット:18Kブレゲゴールドとアコヤパール
ボックス:当時ブレゲが使用していたモロッコ革のケースから着想した赤いレザーの250周年スペシャルエディションボックス、個別番号入り
[使用総数]
ブレゲゴールド:重さ約110g
プラチナ:重さ約1.6g
宝石総数:340個
総カラット数:6.2カラット


品番:GJ29BH89254DD59
バリエーションとしてシャンパンカラーのアリゲーターレザーストラップと26個(約0.1カラット)のブリリアントカット・ダイヤモンドをセットした18Kブレゲゴールド製デプロワイヤントバックルを組み合わせたモデル

ショパール アルパイン イーグルに初の日本限定モデルが誕生!

2025.11.11 (火)

ショパールのアルパイン イーグルに、初となる日本限定モデルが登場。ベースとなるのは41mm径のルーセントスティール™ケースを用いたベーシックなモデルながら、3針モデルには存在していないブラック文字盤を用いるなど、細部にこだわりが盛り込まれた。

“SHIKKOKU”の名が示す通り、スーパーコピー時計針やインデックスに至るまで黒で統一された本作は、わずかな黒のコントラストで視認性が確保されている。鷲の虹彩をモチーフとした文字盤の模様はそのままに、この黒は、アルパイン イーグルとしては初めて自然界以外のものからもインスパイアを受けた色。日本の禅の美学や墨といった日本の伝統美に通ずるものが、文字盤の色のみならず針やインデックスなどダイヤル上全体で表現されている。

また、ショパールはこの日本限定をリリースするにあたり、ラグビー選手の稲垣啓太氏をアンバサダーとして起用するサプライズも用意。稲垣選手は国立競技場で行われた記者発表会に、このアルパイン イーグル日本限定を着用して登場し「自分が最も好きな色は黒」と明かすと、力強さを感じさせる時計の出来栄えを満足そうに語った。

本作は日本限定で100本の生産、215万6000円(税込)で、全国のショパールブティック、およびアルパイン イーグル取り扱い店舗ですぐに展開される予定だ。

ファースト・インプレッション
このアルパイン イーグル 日本限定は、ベーシックなラインナップにおいて控えめに言って最高の仕上がりだ。この時計はいまや一大コレクションとなり、サイズ展開も通常の3針モデルで41、36、33mmと豊富。僕自身が選ぶなら、ふたつの大きな理由から圧倒的に36mmだと考えていた。それは、控えめなサイズ感とデイト表示がないこと。サイズについては、着用感がよいのもさることながら、文字盤の凝縮感が増すことからより小ぶりな方が好みだった。デイトについては永遠の議論なのでここで多くを語ることは控えるが、僕はあっても日付を合わせないのでデイトの有無はどちらでもよいと言えばよいのだけれど、この“SHIKKOKU”を見たとき、デザインとしての完成度の高まりを感じた。なので、僕にとってのデイト表示とはデザイン上のファクターでしかないのだと確信しつつ、文字盤上を完全にシンメトリーに整え、わずかなコントラストの内に封じ込めたこの仕上がりに胸が高鳴った。ベースとなる文字盤の黒はより深く、ほんのり明るいグレーよりのインデックスと針は光の加減によって光沢を放つ。それが漆黒の文字盤に優美に浮かび上がるように感じられて、少し大きいと感じていた41mm用の文字盤のスペースがとても上手に生かされているように思えたのだ。

さて、アンバサダーに選出された稲垣選手は時計好きでも知られる。発表会の当日、黒のスーツに身を包んだ彼の腕にはこのアルパイン イーグル “SHIKKOKU”がよく馴染んでいた。どういうときに時計を身につけるか? また、“SHIKKOKU”はどんなときに身につけたいか? と僕が問いかけると、「練習や試合の行き帰りでも身につけますし、一日のなかでいつ何をするか把握するうえで、時計は欠かせないもの。この“SHIKKOKU”は、特に今日のようなスーツのときに合わせたいです」と答えてくれた。彼はもちろん屈強なラグビー選手であるのだが、「10年後、自分は42歳。ラグビー選手としてまだやっていられるかは分かりませんが、体が壊れるまで続けるつもりです。そのためにも日々強くあろうと思います」と冷静に淡々と答える様子から、とても理性的で静けさのある人物だと感じた。まさに、アルパイン イーグル “SHIKKOKU”のイメージにぴったりで、あのように自分自身と時計をシンクロさせることができたら手元で時計は一層輝くのだろうと、僕は少し羨んだ。

基本情報
ブランド: ショパール(Chopard)
モデル名: アルパイン イーグル 日本限定 エディション “SHIKKOKU”
型番:298600-3021

直径: 41mm
厚さ: 9.70mm
ケース素材: ルーセントスティール™
文字盤色: SHIKKOKU
インデックス: ローマン&バー
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット:ルーセントスティール™ブレスレット、同素材のセーフティプッシャー付きトリプルフォールディングバックル

ムーブメント情報
キャリバー: Chopard 01.15-C
機構: 時、分、秒、ストップセコンド
直径: 28.80mm
厚さ: 4.95mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31
クロノメーター認定: COSC
追加情報:通常版のアルパイン イーグルと異なり、デイト表示なし。総パーツ数196

価格 & 発売時期
価格: 215万6000円(税込)
発売時期: すぐに
限定:日本限定100本

1960年代に登場した4桁番台(16xx)のデイトジャストを紐解く旅へと出かけよう。

2025.08.28 (木)

デイトジャストは1945年に機構が発明されて以来、ロレックスのスタンダードとなった。ロレックス、いや機械式時計としていちばん初めに手に取られることも多いこのコレクションだが、意外にも研究が進んでいない分野で製造・販売された時期も曖昧な謎の多い時計でもある。今回は、最も数が多く市場でも手に取りやすい1960年代に登場した4桁番台(16xx)のデイトジャストについて、ディテールの整理を試みたいと思う。

1960〜78年ごろにまでわたる4桁品番
デイトジャストはロレックスにおいてはいわゆるクラシックモデルに属し、年々高騰の一途をたどるスポーツモデルとは少し違う。その値上がり幅はまだ緩やかで程度のよい個体も多いため、自分好みのディテールを探して楽しむにはいまだに適したフィールドだ。まず、デイトジャストとは何か、だが、同社の創業40周年を機に発表された肝入りのモデルであり、ロレックスによる三大発明がすべてそろった時計である。すなわち、高い防水性を実現したオイスターケース(1926年)、現在広く一般化したセンターローターが全回転する自動巻きスタイルを確立したパーペチュアル機構(1931年)、デイトジャスト機構(1945年、当初は単に日付表示)のすべてを備え、さらにフルーテッドベゼルやジュビリーブレスレットといった、ザ・クラウンのアイコニックな意匠を専用に、しかも初めて与えられたのがデイトジャストという時計なのだ。初代モデルであるRef.4467はゴールドケースのいわゆる高級機で、後年の立ち位置とは少し異なっていた。1956年にデイデイトが発表されるとハイエンドモデルとしてのポジションを譲ることとなり、SS×YGのロレゾールやSSモデルが初めてバリエーションに加えられるようになった。僕らにとっては、それ以後の仕様がなじみあるデイトジャストのものだと感じられるだろう。

ロレックススーパーコピーN級品代引きそれ以降のデイトジャストは単に大衆化しただけではなく、普及モデルとしての信頼感も向上していくのが特徴だ。膨大なバリエーションがあるが、プライスと機械的・つくり的な信頼度のバランスという意味で、1960〜78年ごろまで製造されていた、いわゆる16xxリファレンスの「4桁」に勝るものはないため、今回はディーラーの方々や過去の文献を頼りに世代ごとの細かな違いを解き明かす先鞭をつけようと思う。ひと口に4桁といってもかなりのリファレンスが存在するため、今回は1600、1601、1603に大別されるメジャーなベゼルのバリエーションを軸に、特に珍しい個体の紹介も加えていく。また、4桁デイトジャストは大きく2つの世代に分けられる。前期は1960〜65年ごろで、アルファ針とくさび形インデックスを採用し、ムーブメントにはCal.1530や1560を搭載していたモデルだ。後期は1965〜78年で、キャリバーは1965年ごろから1570搭載のものが登場し、針が現行のデイトジャストを定義付けるバトンタイプのものに落ち着いた世代。1971年ごろにはCal.1570にハック機能の搭載がスタンダードとなる。かつてディーラーの人々が売買する際の値付けの参考にするため重宝したという『VINTAGEAMERICAN & EUROPEAN WRIST WATCH PRICE GUIDE』によれば、一部のロレゾールやゴールドモデルは1987年ごろまで16xx品番として作られたという記録があるが、デイトジャストとしても5桁品番に切り替わったあとの時期であり、現状、真相は不明だ。余っていたケースや文字盤を後年になって製品として仕上げた可能性はおおいにあるが、個体としての流通量を見ると1978年ごろまでが4桁品番の区切りとするのが正しい理解になりそうだ。なお、16xx/8のように表記される8の部分は素材を表している。0がSS(表記されない)、3がSS+14KYG&PG、4がSS+18KWG、7が14KYG&PG、8が18KYG&PG、9が18KWGだ。現代では金無垢モデルに関しては一貫して8と表記されることもあるが、当時の運用として参考までに。

最初期のデイトジャストは主にCal.1560を搭載しているが、先に挙げたバタフライローターを採用していることに加えロレックス製ムーブメントの特徴でもある、赤いリバーシングホイール(切り替え車)を搭載しない個体も多い。これは、常に動き続ける自動巻き上げによる摩耗を抑えるため、赤いアルマイト加工を施したもの(両方向巻き上げであるため、2つある)で、なんともロレックスらしいディテールだ。何しろ、ケースの防水性をより完全なものとするため、リューズによる巻き上げを必要としない自動巻き機構を生み出したというエピソードがあるほどだから、完璧主義者らしい哲学が息づき始めた時代といえる。

トリチウム夜光でもSWISS表記
 ベゼルの種類でいえば、ステンレス製は刻みの入った1603とスムースベゼルを採用する1600がある。最も数が多いのは、冒頭で書いたようにデイトジャストのために作られた意匠である、ゴールド製のフルーテッドベゼルを備えた1601だ。このフルーテッドも初期型は刻みがより細かいという特徴がある。なお、生産数全体からすると、WGベゼル×ステンレスケースの仕様が最も多く、現在も流通している数が多いとされる。


1963年のロレックス公式カタログ。デイトジャストのなかに「ターノグラフ」という名称が。回転ベゼルの仕様を指したものと思われる。

 一方で文字盤上での明確な違いとして、アルファハンド(針)とくさび形インデックスが見られる。現行デイトジャストといえば、バーインデックスとバトン針、それに夜光が特徴だが、この時代はその限りにあらず。後期以降はだんだんと現代の意匠への移行が見られるため、よりヴィンテージライクなデザインを求めるならば前期型は満足度が高いだろう。また、この世代のロレックスを探す場合、かなりの人がトリチウム夜光か否かをひとつの判断基準にすると思う。ここまで掲載しているモデルはすべて「SWISS」表記になっているが、デイトジャストの場合、いわゆる「T SWISS T」表記が採用されるのは1965年以降の個体がメインであり、1960~63年ごろの初期型に関してはSWISS表記であってもトリチウムが用いられている。デザインによっては、夜光自体が配されていないモデルもあるが、実際リダンなどでもなくそういう個体は存在していると複数のディーラーが証言してくれたため、その点は安心してよさそうだ。

 なお、1953年に誕生し4桁品番で見られるRef.1625、通称「サンダーバード」は、もともとRef.6309と呼ばれていたモデル。上のロレックスカタログ(1963年)にも掲載されているが、モデル名は「DATEJUSTTURN-O-GRAPH」となっている。そう、回転ベゼルを搭載したモデルは当時ターノグラフとも呼ばれ、サンダーバードの前身でデイトジャストの一部とされていたのだ。ベゼルに機能を付加し時計をツールとした出色の存在で、ロレックスのツールウォッチ化を促したクラシックとスポーツの狭間にいる時計だ。

文字盤が多彩になる後期型

Ref.1600(1970年)、Cal.1570搭載。グレーダイヤルが経年変化した「ゴーストダイヤル」。ハックなしのCal.1570を搭載。1980年代後半まで生産された名機で、1971年以降にはハック機能も追加された。

 後期型はタマ数も多く遭遇する可能性の高い世代だ。前述のとおり、5.5振動でよりモダンなCal.1570の搭載(後年はハック機能も搭載)へと舵が切られ、バータイプの針とインデックスがデザイン言語として確立された。1945年の初代モデルより引き継がれていたアルファハンドやくさび形インデックスのディテールが、よりインダストリアルなデザインへと変化し、時間を確認する道具としてユニバーサルな方向に進化を遂げたといえるだろう。何より、初期型ではほとんどシルバーと黒しかなかった文字盤色にカラーが加わったのが大きな特徴だ。これがバリエーションの豊富さに拍車をかけ、さらに経年変化による退色の具合でもその個体の呼び名が変化したりする(これはスポーツモデルとも同様の流れだ)。たくさんのなかから好みの色や状態をセレクトする楽しみは、ヴィンテージのタンク マストと共通するような面白さがある。

 ダイヤルの色やパティーナの状態によって価値が変わるのはヴィンテージウォッチの醍醐味だが、特にロレックスのデイトジャストやデイデイトの一部に「ゴースト」と呼ばれるものがある。上に掲載したRef.1600は素晴らしい経年変化を遂げたと思われるが、一見、文字盤上のロゴや文字が消えているように見える。アプライドインデックスと王冠マークだけが象徴的で、初見であればニセモノだと疑う人もいると思うが、このゴーストダイヤルはコレクターのあいだでも珍重されるモデルで、人気が高い。ロレックスの文字盤はラッカーで着色されているのが一般的だが、パティーナする場合はラッカーの表面に施されたクリアが剥がれたり、ベースのラッカーが退色したりすることで発生するようだ。下のグレー文字盤が最も有名だが、シャンパンカラーやブラウンなどほかの色でも同じような「ゴースト」文字盤が確認されている。


Ref.1603(1964年)、Cal.1570搭載。SS×WGベゼル。針は交換されたものと思われる。


Ref.1600(1965年)、Cal.1570搭載。SS×YGベゼル。

大衆化したからこそ希少な金無垢モデル
 後期になって登場する白文字盤はマットに仕上げられているのが特徴で、非常に数が少ない。前述のグレーダイヤルなども同様だが、経年変化が多く見られたためかメンテナンスの際にロレックスによって交換されている例も珍しくないという。だからこそ近年、注目が高まっている要因でもあるが、ヴィンテージウォッチを手にしたなら安易にメーカーメンテナンスに出すと思わぬ後悔をすることもありそうだ。

 さて、4桁デイトジャストが持つバリエーションのなかでもう少し希少性が高いものをここではご紹介したい。後期世代に入って製造が安定してくると、新しいコレクションにもだんだんと珍しいバリエーションを加える手法は現在のロレックスとも共通している。まずはそのなかでも比較的ポピュラーな、通称「ワイド(ファット)ボーイ」。ベーシックなモデルよりも幅広かつ中央に溝のある針とインデックスを採用しているのが特徴だ。このディテールはデイトジャストのみならず、デイデイトでも見られたもので、1967年ごろからこのような個体が確認されている(過渡期だったのか、インデックスの一部だけが太い個体などもある)。本格的に生産数が増えたのが1970年以降なのか、初期のものはメンテナンスなどで交換されてしまい現在まで残っているものが少ないのか、4桁品番のなかでは比較的新しいものが多い。ただし、デイトジャスト全体の数と比べれば当然希少性は高いため、ベーシックなモデルよりも少しプライスは張ることになる。


Ref.1601/9(1960年)、Cal.1560搭載。フルWGという珍しい個体。ゴールドモデルは、ラグ根本部分のケース形状がSSモデルとは異なる。


Ref.1600/8(1970年代半ば)、Cal.1570搭載。オリジナルのオニキスダイヤルを備えた個体は、いまではほとんど市場に現れないほどの品に。

 一方、この時代のデイトジャストで最大級に希少性が高いのは18金ケースを備えたリファレンスであることは間違いないだろう。ディテールを見ると、金無垢モデルはケースからラグのシェイプが異なり、ラグ自体も穴なしの形状となる(SSはドリルラグ)。1960年以降の4桁デイトジャストは、初めてコレクションにSSモデルが追加されて大衆化したということは既に述べた。このことから、現在ゴールドモデル、それもブレスレットまで同時期のもので揃った個体というのは探すのがほぼ不可能なほどにハードルが高くなっている。4桁世代の金無垢ロレックスといえば、基本的にはデイデイトのことを指すほど生産数に差があるため、そちらを探すのが予算的にも難易度的にも利口な判断だ。それでもゴールド・デイトジャストの希少性に引かれるなら、多少年代のズレがあっても好みの仕様で探し出すか、時計のヘッドとブレスレット部分を別々に入手し理想とする1本に仕立て上げるかが現在のスタンダードである。


1960年代、北米でのロレックスの広告。当時記録的セールスとなったデイトジャストは多くの広告が見られる。この「ターノグラフ」ベゼルは18金だけに施されることが記載されている。

 今回掲載している2本は奇跡的にブレスレットも揃った品である。WGモデルはギルトダイヤルが見事な状態を保っており、たとえこれがSSモデルであっても大変貴重なものだといえる。取材を受けてくれた江口時計店の江口大介オーナーによれば、SSモデルに対してWGモデルを扱う頻度は100分の1程度だということで、これはそのまま当時の生産数にも反映されるような指標になるだろう。なお、ゴールドといってもYGとWGではその希少性にかなりの差があり、プライスにするとWGの方が3〜4倍程度高価になるようだ。当時、ロレックスのゴールドといえばYGだったのである。

 1970年半ばごろから数年間だけ生産されたものに、オニキスやステラダイヤルと呼ばれるものがある。これは、基本的にはデイデイトに見られるバリエーションで、一部金無垢のデイトジャストにも採用されて主に中東向けに製造されていたものだ。ステラダイヤルはエナメルに近しい質感のラッカーを厚く塗り、天然石のような深みのある色表現を実現したものだ。一方で深い黒のオニキスは天然石が用いられ、インデックスも王冠マーク以外の一切が排除されたミニマルなルックスが特徴となっている。当時の加工技術では天然石にインデックスをセッティングするのが困難だったことも想像されるが、このバリエーションだけがほかと特に異なるデザインになっていて、デイデイト、デイトジャストともに羨望の的である。現在、デイデイトでも年間2、3本が市場に流通する程度だが、デイトジャストのオニキスダイヤルはほとんど見かけなくなってしまった。

ヴァシュロン・コンスタンタンの創業270周年を祝うにふさわしいモデルである。

2025.07.25 (金)

ヴァシュロン・コンスタンタンのレ・キャビノティエ部門は、世界でもっとも複雑な腕時計を発表してから1年も経たぬうちに、ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーションを世に送り出し、再びその世界記録を塗り替えた。今回登場したソラリアは懐中時計ではなく、41もの複雑機構、特許出願中の13件の発明、そして驚くほどモダンなデザインと、実際に腕に装着可能なサイズ感を特徴としている。あらかじめ断っておくが、この話は(またしても)Watches & Wonders期間中に掲載する記事のなかで最長の部類に入るだろう。

ご存じのとおり、ヴァシュロン・コンスタンタンは270年におよぶ歴史のなかで複雑機構時計の分野において常に重要な存在であり続けてきた。この分野において各ブランドのしのぎを削る小さな競争のなかで、同社は2017年に23の複雑機構を備えたレ・キャビノティエ セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリケーション 3600を発表している。とはいえ、それでもなお、36の複雑機構を持つフランク・ミュラーのエテルニタス メガ4には及ばなかった。しかしながら、フランク・ミュラーの公式ウェブサイトはすでに時代に取り残されている。というのも、エテルニタスはすでに“世界でもっとも複雑な時計”の座を明け渡したばかりか、“もっとも複雑な腕時計”ですらなくなっているのだ。

前回ヴァシュロン・コンスタンタンが世界でもっとも複雑な時計を製作してから1年足らずの登場となった。

ジェイコブ スーパーコピーザ・バークレー・グランドコンプリケーションに対する畏敬の念はさておき、960g、直径90.8mm、厚さ50.55mmというこの“懐中時計”は、もはや時計というより置き時計のような存在だった(ただし、どこまでが時計でどこからが置き時計なのかは議論の余地がある)。そんななかで、私のお気に入りのコメントを紹介しよう。“時計型のケトルベル”。そしてある読者はこう語った。“感動的だ。今度は腕時計版を作ってよ”。まあ、それにかなり近いものを今回、実際に作ってしまったのだ。

昨年と同様、ヴァシュロンは今年もレ・キャビノティエ ソラリアをWatches & Wondersの前日に、選ばれたプレス関係者に向けてお披露目した。つまり、すべての詳細を知ることができただけでなく、私はこの時計を(触ることができなかったバークレーに対して、文字どおり)“ハンズオン”できたのだ。

概要
さて、この時計が41もの複雑機構を搭載し、13の特許を申請していることは前述したとおりだが、しかしもっとも感銘を受けるのは、時計のサイズと全体的な美しさだと思う。ヴァシュロンは2022年発表の“トリビュート・トゥ・バッカス”のように、“複雑性”と“派手さ”を結びつけることを避けてはこなかったが、このモデルは比較的控えめなケースデザインとモダンなダイヤルを備え、着用性も念頭においたパッケージとなっている。

さて、この時計が41もの複雑機構を搭載し、13件の特許を申請中であることはすでに述べたが、もっとも印象的な点のひとつはそのサイズと全体の意匠である。ヴァシュロンは2022年に発表したトリビュート・トゥ・バッカスのように、“複雑性=派手さ”という方程式を否定してこなかったが、本作では比較的控えめなケースデザインとモダンなダイヤルレイアウトを採用し、着用性にも配慮された構成となっている。

では、その着用性はどうか。時計のサイズは直径45mmで厚さが14.99mm。最近発表されたオメガ シーマスター プラネットオーシャン ワールドタイムと比較すると、直径で0.5mm大きく、厚さは4mm薄い。もちろんこれらは用途も目的も異なる2本の時計であり(ソラリアには防水性能の記載がなく、おそらく防塵仕様に留まると見られる)、ヴァシュロンによるこのモデルは価格非公開の1点モノであり、同社の高級時計製造部門によって製作された特別な作品だ。それでもなお、マイクロメカニクスと小型化という点で、ヴァシュロンの技術力の高さを如実に物語っている。

ムーブメントであるCal.3655は直径36mm、厚さ10.96mmに収められており、そのなかには14の天文複雑機構や、5種類のリピーターを含む多彩な機能が詰め込まれている。そのひとつであるスプリットセコンドクロノグラフは、天文機構としての役割も兼ねている。全体で1521個の部品と204個の受け石を用い、2万1600振動/時で駆動、パワーリザーブは72時間を誇る。

ビスポークで製作されたバークレー・グランドコンプリケーションとは異なり、ソラリアはヴァシュロン主導による完全オリジナルのプロジェクトである。ひとりの時計職人に、そう、たったひとりに思う存分創造力を発揮できる全権が与えられ、彼はその依頼内容に対し全身全霊を持って応えた。製作には8年を要した。予算も価格も設定されていないが、この時計は販売対象である。正式名称の末尾に“プルミエール”という名が冠されているのは、今後同様の依頼に応じて、それぞれ異なるディテールを与えながらも同じ複雑機構群を搭載するモデルが製作されることを意味している。すべての機構の一覧は記事の末尾に掲載するが、ここでは主要なものをいくつか紹介しよう。

もちろん(極めて複雑ではあるが)通常のチャイム機構、クロノグラフ、トゥールビヨンも搭載されているが、このモデルではウェストミンスター・ミニッツリピーター機構が、クロノグラフ機構およびトゥールビヨン調速機構とともにベースムーブメントに統合されている。常用時表示モジュールも同様に組み込まれているが、一方で恒星時は独立して作動する。

また、グレゴリオ暦に基づくパーペチュアルカレンダーと第2タイムゾーン表示も備えている。この第2タイムゾーン表示ではホームタイムとは別にローカルタイム用の独立した時針と分針が設けられており、さらにワールドタイム表示も搭載されている。天文表示では、選択した都市における満潮と干潮(日の出、日の入り、ムーンフェイズ、月齢と同様に)を表示するだけでなく、大潮と小潮の日付も示される。大潮とは、干潮と満潮の差がもっとも大きくなる現象で、新月や満月の1〜2日後、太陽・地球・月が一直線に並んだときに起きる。一方、小潮は、大潮から約7日後、太陽と月が直角の位置関係にあるときに現れ、潮の干満が穏やかになる期間を指す。

私にとってもっとも魅力的な複雑機構(あるいはその組み合わせ)は、コラムホイール式スプリットセコンドクロノグラフを天文観測のツールとして活用している点である。時計の裏側には、2枚のサファイア製ディスプレイが重なり合った“天球”(空の見かけの半球状の広がり)の表示が配されている。少々複雑だが(ほかに適切な言い方もないので)、どうか最後までお付き合いいただきたい。

まず裏面ダイヤルには、オーナーが設定した観測地点の夜空に広がる星座の一覧が表示され、星座の動きがリアルタイムで示される。この表示の中央にはスプリットセコンドクロノグラフが搭載されており、その中央部には、0時から24時までの時刻を指し示すグリーンの矢印が配されている。またダイヤルの中央から外周の中間地点には、もう1本グリーンの基準線が設けられている。ヴァシュロンによると、これらを以下のように活用するとのことだ。

「この複雑機構を作動させるには、ユーザーが天球図上で任意の星を視覚的に選び、クロノグラフを起動させます。クロノグラフ針がグリーンの基準マーカーに到達したら、スプリットセコンド針を停止させ、もう一方の針は選んだ星の現在位置に達するまで動かし、そこで停止させてください。選んだ星が空に現れるまでにかかる時間(時数)は、ダイヤル中央にある小さなカウンター上のグリーンの三角形で示されます。裏蓋の風防に沿って配置された月表示は、地球の太陽周回軌道上の位置に応じて、天球表示を調整する際の目安となります」

言うまでもなく、この表示機構も非常に複雑である。フロントダイヤルには4つのインダイヤルがあり、その下には都市と天文記号を示す2枚の金属ディスク、さらに日の出・日の入り・ムーンフェイズ(大潮および小潮を含む)を示す3枚のサファイアディスクが配置されている。各サファイアディスクの厚さはわずか0.18mmだ。

裏側では、シースルーケースバックが天文ディスクとして機能しており、そこには月と星座が刻まれている。ディスクの外縁部の厚さは0.6mmで、天球および恒星時を表示する回転ディスクの厚さはわずか0.3mmである。

美的観点から言えば、ダイヤルにこれほど多くの色彩が施されていることに納得がいくまでには、少し時間を要した。最初はイエロー、レッド、グリーンの多用によって、この時計に期待される重厚さや厳粛な印象が損なわれているのではないかと感じた。しかしやがて、これらの色がそれぞれ視認性を飛躍的に高めており、これまでに製作されたどの超複雑時計よりもはるかに現代的であることに気づいた。実物のほうが提供写真よりも遥かに落ち着いた印象を与えるのも特筆すべき点である。要するに、本作は視覚的なバランスという点において、これ以上ない完成度を誇るマルチコンプリケーションのひとつなのである。

出願された13の特許
2024年のザ・バークレー・グランドコンプリケーションの功績を理解するには、中国暦と、それをパーペチュアルカレンダーに応用する仕組みについての深い知識と解説が必要だった。これはRef.57260からバークレーへと進化するうえでの最大の違いであった。対して今回のソラリアでは、ヴァシュロンは多岐にわたる複雑機構について特許を申請している。

なぜそれが重要なのか? ヴァシュロン・コンスタンタンは、過去にもこうしたユニークピースを将来の量産モデルに技術を応用するための実験の場として活用してきた。たとえば、Ref.57260に搭載されていた球体トゥールビヨンは、のちにレ・キャビノティエ アーミラリ・トゥールビヨンの各種モデルに展開されている。特に、ほかの腕時計にも応用しやすいサイズのムーブメントを搭載した本作のようなモデルでは、その可能性はいっそう高まる。

時刻表示に関しては2件の特許がある。ひとつは、天文表示を正確に整列・固定しながら、点検や位置調整を容易にする“プラグ・アンド・プレイ”式の取り付け機構である。もうひとつは、ローカルタイムをホームタイムから切り離して表示できるユニバーサルタイムの新機構で、従来のゼンマイではなくディファレンシャルギアを用いて制御する点が特徴だ。さらにスプリットセコンドクロノグラフには、等時性と振動抑制の両立を実現する新設計のスプリットセコンド用干渉防止機構が採用されている。

特許申請の大部分はミニッツリピーターに関するもので、合計7件にのぼる。ハンマーのサイズを最適化し、ハンマーおよびゴングへ伝わるエネルギーを最大限に引き出すことで、より豊かな音を実現するため、ミニッツリピーターの構造そのものが再設計された。興味深いことに、その一環としてハンマーのサイズはむしろ縮小されており、それによってバックラッシュが最小限に抑えられ、素材にはより高出力を可能にするスティールが用いられている。そのうちの3つには18Kゴールドが加えられており、それには少なからず驚かされた。またこれらのハンマーは斬新な構成で地板の両側にペアで配置されている。さらに、リピーター作動時に打刻モードを選択できる新しいセレクターシステムも搭載されており、“時”だけの鳴動から、“時・クオーター(15分)・分”を含むフルストライキングモードまで選べる仕様となっている。

このような時計の魅力を、そしてこれほどまでに高度な技術を盛り込みながらも、2023年のIWC “エターナルカレンダー”よりわずか0.6mm厚いだけという事実をどう言葉にして伝えればよいのか途方に暮れている。本作は、現代の時計製造技術がいかに進化を遂げたかを雄弁に物語る存在である。

1から41までの複雑機構を列挙
バークレー・グランド・コンプリケーションの時と同様に、ソラリアが備える41の複雑機構をひとつずつ分解して見ていくのも有益だろう。ただし、ひとつ注意しておきたいのがトゥールビヨンの扱いである。調速機構でありながら、その製造は極めて複雑を極める。複雑機構と見なすかどうかについては長年にわたって議論が絶えず、そもそもこの議論に加わらないことが唯一の解決方法だ。最近この件についてベンに意見を求めたところ、彼は「複雑機構に数えられないけれど、実際は複雑機構だよね」と言っていた。まさにそのとおりだと思う。

とはいえ、もしあなたが事実を知っていてトゥールビヨンに反対票を投じるのであれば、ヴァシュロンは第2タイムゾーンの時・分についてはひとつの複雑機構しか搭載していないと自認している(私のカウントではふたつの異なる複雑機構)ので、その数は40、41、あるいは42の複雑機構になる可能性もある。いずれにせよ、この時計が以下の機能を備えた世界でもっとも複雑な腕時計であることは間違いない。

とはいえ、もし読者がトゥールビヨンは複雑機構ではないと考えていたとしても、ヴァシュロン自身は第2タイムゾーンの時・分表示をひとつの機構として数えており(私の見方ではこれはふたつ分に相当する)、この時計の複雑機構の数は40とも41とも、あるいは42とも言えるかもしれない。いずれにせよ、この時計が“世界でもっとも複雑な腕時計”であることは疑いの余地がなく、以下がその内容である。

時間計測(計6項目): 1. 基準都市における昼夜表示、2. 第2タイムゾーンの24時間制による時・分表示、3. 24都市のワールドタイム表示、4. 第2タイムゾーンの昼夜表示、5. シリコン製テンプを備えた2万1600振動/時のトゥールビヨン
6. ベースムーブメントに組み込まれた常用時表示モジュール

グレゴリオ暦パーペチュアルカレンダー(計8つ): 7. パーペチュアルカレンダー、8. 曜日表示、9. 日付表示、10. 月表示、11. 年表示、12. うるう年表示、13. 年内週番号表示(ISO8601カレンダー準拠)、 14. 曜日番号(ISO 8601カレンダー準拠)

月表示(計3つ):15. ムーンフェイズと月齢表示、16. 潮位表示、17. 大潮・小潮表示

天文表示(計14):18. 季節(春分、夏至)、星座表示、19. 太陽の位置、20. 日の出時刻(基準都市による)、21. 日没時刻(基準都市による)、22. 一日の長さ(基準都市による)、23. 太陽年における均時差、24. 太陽の南中時刻(基準都市による)、25. 地平線上の太陽の高さ(基準都市による)、26. 太陽の偏角、北半球/南半球の太陽の緯度を3次元の地球が表示、27. 恒星時、28. 恒星分、29. 天文星座/30. 天空図(基準都市による)、31. 天体の時間的追跡

チャイム機構(計5つ): 32.ミニッツリピーター、33. ウェストミンスター・カリヨン・チャイム(4つのハンマーと4つのゴング) 34. 時単位のみまたはフルチャイムの選択、35. チャイム時のリューズロックシステム、36. ハンマーの反発を抑え、運動エネルギーの伝達を最適化するダブルストップ・ハンマー機構

クロノグラフ(計4つ): 37. クロノグラフ(1コラムホイール)、38. 60分積算計、39. スプリットセコンドクロノグラフ(1コラムホイール)、40. スプリットセコンドクロノグラフ用アイソレーター機構

追加機能: 41. パワーリザーブ表示(190度までの外周ディスク)

米国大統領、スイス製品への31%の関税を“解放の日”演説で表明。

2025.07.25 (金)

米国はスイス時計業界にとって最大の輸出市場であることもあり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領による大規模な関税の脅しに動揺を隠せなかった。水曜日に行われた演説で、トランプ氏は中国、インド、欧州連合諸国を含む100以上の国や貿易相手国に対して広範な関税措置を講じると発表。ブルガリコピーそのなかで、スイスから米国に輸入される製品には31%の関税を課すとのグラフを示した。

トランプ氏はまた、すべての貿易相手国に対して一律10%の関税を適用しつつ、スイスを含む一部の国々には“報復的”な2桁台の関税を課す方針も明らかにした。これを受け、中国製品には34%、欧州製品には20%、日本には24%、英国には10%の関税が課される見通しだという。この発表を受けて、米国株先物は急落した。

スイス製時計の最大輸出先は2021年に中国を抜いて米国となっており、今回示された31%の関税は、パンデミック後の世界的な需要低迷を背景に米国市場に依存してきた業界にとって衝撃的な打撃となる可能性がある。ロレックス、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンといった最高級ブランドから、スウォッチ グループ傘下のロンジンやティソといった量販価格帯のブランドに至るまで、かつての勢いを失った中国市場に代わって米国の需要に活路を見出してきた。

2024年には、スイスから米国への時計輸出額が前年比で5%増加した一方で、中国向けの出荷は25%減少しており、年間の総輸出額は約260億スイスフラン(日本円で約4兆4700億円)で前年比2.8%減となった。

スイスのカリン・ケラー=ズッター(Karin Keller-Sutter)大統領は、米国の関税方針について「承知しており、速やかに今後の対応を検討する」と述べた。また、SNS(X)への投稿では「スイスの長期的な経済利益が最優先であり、国際法の順守と自由貿易は我が国の核心的価値である」と強調した。

この唐突な関税発表は、業界関係者がジュネーブに集うWatches & Wondersの開催期間中に行われた。同イベントでは60を超えるトップブランドが新作を発表し、小売業者や国際メディアと面会するなど、業界全体でのプロモーション活動が展開されている。イベントに出席していた多くのスイス企業の幹部らは、機械式時計の製造基盤が米国にはほとんど存在しないことから、業界が関税対象から外れることを期待していた。

「スイス製の時計を米国で作ることはできない」と、手ごろな価格のツールウォッチで知られるスイスブランド、オリスの共同CEOであるロルフ・スチューダー(Rolf Studer)氏は、トランプ氏による関税発表に先立つインタビューで語った。

さらにスチューダー氏は、「付加価値は流通や小売の段階で生まれている。そこに課税されるということは、米国市場における価値創出そのものに影響を与えるということだ」と述べ、「だから私は、この政策には合理性がないと思う。とはいえ、それが実行されないという保証にはならないのだが」と付け加えた。 

ロレックス デイトナ Ref.126508 “ジョン・メイヤー 2.0”が新登場。

2025.06.30 (月)

ロレックス デイトナ Ref.126508 “ジョン・メイヤー 2.0”が新登場。

新作モデルのデリバリーが始まりつつあるが、それは単なるグリーンダイヤルの一種ではない。旧モデルとの比較を通じて、その本質に深く迫る。

ロレックススーパーコピー代引き 激安が新キャリバーを搭載したランドドゥエラーを発表した際、ロレックスだけに留まらず、すべてのブランドにおいて注目をさらった。しかし、HODINKEEで得られるインサイトの一端をお見せすると、私が書いた8本の新作(もしくは再発表)デイトナについてのシンプルな記事が、その週に公開された記事のなかで(ランドドゥエラーを除いて)、ほとんどのコンテンツよりも多くの閲覧数を記録した。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
 このようなエピソードは、たとえ時計にわずかな調整しか加えられていなくとも、いかにデイトナが今なお熱狂的な人気を誇っているかを物語っている。今回、本当の意味で刷新されたのは、ターコイズラッカーのダイヤルにオイスターフレックスブレスレットを組み合わせたイエローゴールドモデルただひとつであった。とはいえ、どうしても無視できない存在があった。そして私たちは、それに正面から向き合う必要があると分かっていた。アンコールに応えて、"ジョン・メイヤー "が装いも新たに帰ってきたのだ。

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 このYG×グリーンダイヤルのデイトナ(Ref.126508)の復活は、HODINKEEにとって“ひと区切り”とも言える出来事である。今から約6年前、ベン(・クライマー)がジョン・メイヤーという人物と時計収集の道のりに関するフォローアップの対談を行った際、彼はこう問いかけた。“誰もこれに気づかないなんて、どうして?”と。それこそが、オールゴールドのケースとブレスレットに、カラーダイヤルを備えたデイトナを見たコレクターが取るべき、そしてやがて実際に取ることになる反応であった。2016年に発表されたこのモデル(Ref.116508)は、ジョン・メイヤー デイトナとして知られるようになり、2023年に生産終了となるまで長らくラインナップに残り続けた(ブルーダイヤルのホワイトゴールドモデルも同時に終了)。

OG John Mayer Daytona
オリジナルのRef.116508 ジョン・メイヤー デイトナ。Photo credit Hodinkee.

 YGもWGも、ともにアップデートを施されて再登場を果たした。ただしブルーダイヤルの外観は以前とほとんど変わらない一方で、いわゆる“ジョン・メイヤー 2.0”(ネット上ではそう呼ばれているが、個人的には“チェアマン・メイヤー”と名づけたかった)には、より大幅な変更が加えられている。実質的かつ実用的な進化はケースの内部にあるが、最大の変化は文字盤が醸し出す雰囲気の変化であることに異論の余地はない。旧モデルのRef.116508は、グリーンダイヤルにグリーンのインダイヤル、さらに赤のアクセントを配していた。一方で新たなRef.126508では、イエローのインダイヤルが採用されており、その佇まいは1970年代後半のヴィンテージウォッチを想起させるものとなっている。個人的にこれは非常に意義深い改良だと感じている。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
 その理由を理解するには、少々歴史の授業に付き合ってもらう必要がある。もしそういう話が好みでなければ、この先の比較レビューのセクションまで飛ばしてくれてかまわない。大して気にしたりは…しない(たぶん)。

モダン(およびネオヴィンテージ)デイトナのデザイン言語小史
 スティール製のデイトナ、とりわけホワイトの“パンダ”ダイヤルは、多くの人にとって“聖杯”とされていることが多い。それも当然だと思う。デイトナファミリーのなかで最も手が届きやすく、着用の汎用性という点でも優れているからだ。ただ私はデイトナに対して独自の好みがあり、モダンデイトナのなかで最も好まないデザイン要素がふたつある。ひとつはイエロー、ホワイト、エバーローズゴールドのブレスレット仕様モデルに見られるメタルベゼル。もうひとつはほぼすべてのメタルブレスレット仕様のデイトナに採用されている、外周にリングをあしらったコントラストの強いインダイヤルだ。これらの要素は、それぞれ単独でも、あるいは組み合わさることで2023年にアップグレードされたばかりの最新ムーブメントを搭載する製品ラインとしては、どこか時代錯誤な“ネオヴィンテージ”感を漂わせているように感じる。これらのモデルは、過去そして私が思い描く今の完成形とのあいだに位置している。あるいは単に私が、よりヴィンテージロレックスらしいデザイン言語への回帰を望んでいるだけなのかもしれない。

16520
モダンデイトナに受け継がれているデザイン言語の源流が見て取れる、Ref.16520の一例。写真は過去のReference Pointsより引用。

 このリング状のインダイヤルが初めて登場したのは1987年(正式には1988年)であり、自動巻きデイトナ第1号であるRef.16520の発表と同時であった。このモデルはあらゆる面で大きく刷新されていた。エル・プリメロをベースとしたキャリバーの搭載に加え、ケースサイズもそれまでの37mmから40mmへと拡大され、デイトナと名付けられて以来、外観において最も大きな変化を遂げたモデルだった。もちろん、このインダイヤルのリングは傾斜のついたインダイヤルを備えていたRef.6239や、その前身であるプレデイトナ Ref.6238へのオマージュだと捉えることもできる。だが私にとって、このデザインはどうしても1980年代のネオヴィンテージモデルと結びついてしまうのだ。

 もうひとつ、触れておかねばならないのが、セラミックいや、“セラクロム”ベゼルである。ロレックス独自のこの素材は、いまやスポーツモデルやプロフェッショナルモデルの定番となっているが、最初にこのベゼルが採用されたデイトナのリファレンスを聞かれて、正しく答えられる人は意外と少ないだろう。その栄誉にあずかったのは、2011年に発表されたエバーローズゴールドのRef.116515であった。クリームダイヤルを備え、このモデルとしては実に23年ぶりとなるブラックベゼルを採用していた。そして2年後、デイトナ誕生50周年を記念して、ブラウンのセラクロムベゼルを備えたプラチナモデルが登場する。以降、この特徴はデイトナの主力ラインナップに次々と展開されていくことになる。ただしブレスレットと素材を揃えた貴金属製モデルの一部には、いまだこの仕様が採用されていない。

116515
Ref.116515 エバーローズ。

 もうひとつ押さえておくべき背景がある。それは1990年代初頭に、シンガー社が一部の初期自動巻きデイトナ用に製作していた、サンレイ仕上げのダイヤルである。この放射状のブラッシュ仕上げが施されたダイヤルはリング状のインダイヤルと組み合わされており、1990年から1991年にかけてきわめて少量しか製造されなかった。というのも(少なくとも一般的にはそう考えられているが)この種のダイヤルには商業的な需要がほとんどなかったため、市場で展開するには不向きと判断されたからである。その代わり、こうしたダイヤルは販売用としてではなく、ロレックスの最上層部に向けた特別なプレゼンテーションウォッチとして用いられたという逸話が残っており、そこからこのモデルには“チェアマン”という愛称が与えられた。2021年には、そうしたモデルのひとつがクリスティーズのオークションで約40万ドル(日本円で約4390万円)で落札されている。ある意味で、今回の新作Ref.126508は、モダンロレックスのなかでこの“チェアマン”ダイヤルに最も近い外観を持つモデルと言えるだろう。またブルーのサンバーストダイヤルにアラビア数字を配した後年のリファレンスにも、このデザインの系譜を見ることができる(とはいえ、Ref.116523のことを忘れていても無理はないが)。

Daytona
2021年にクリスティーズで落札された、デイトナ Ref.16528 “チェアマン”。

Daytona
 だからもし、あなたが私のようにデイトナの美学に対して細かいこだわりを持っているなら、おそらくはオイスターフレックス仕様のモデルに注目してきたはずだ。そこにはセラクロムベゼルとクラシックなインダイヤル構成が採用されている。実際、2023年に発表されたル・マン デイトナにおいて、私にとって“完璧な”モダンデイトナたらしめていたのは、記念モデルらしい“100”や“ロリポップ”インダイヤルの存在ではなかった。ブラックのセラクロムベゼルと、完全なリバースパンダ配色の組み合わせこそが決め手だったのだ。ル・マンはデイトナというモデルとその歴史の素晴らしさを凝縮したような存在であり、それをモダンなパッケージで、しかもメタルブレスレット仕様に落とし込んだ初めての1本であった。“ロリポップ”インダイヤルマーカーがなくとも、フル・リバースパンダの美観は、これまでで最も完成度の高いモダンデイトナのデザインに仕上がっていたと感じている。

LeMans Hands On
WGのオイスターフレックス仕様であるRef.116519LN、ル・マンモデルのRef.126529LN、そしてベンによるA Week On The Wristで登場したRef.116500LN。この3本を並べて見てみれば、左の2本がいかに“完成された”印象を持っているかは、一目瞭然ではないだろうか。

新作“ジョン・メイヤー”との対峙(もちろん比喩的な意味で)
Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
 Watches & Wondersの開催期間中、ジュネーブの会議室で深夜にロレックスのウェブサイトが更新された瞬間、まず目を引いたのは、新作デイトナ Ref.126508のインダイヤルが全面YG仕上げになっていたこと、そしてそれ以上に、ダイヤル全体に施されたグリーンのサンバースト仕上げが放つ強烈な色彩だった。グリーンのサンバースト仕上げが施されたダイヤルの、その色味の強さにも目を奪われたのだ。実機を見ていない多くのレビュー(やリール動画)では、このダイヤルこそが最も大きな変更点のひとつであると指摘されている。それは間違っていないが、完全に正しいとも言い切れない。その違いを理解するために、下に掲載したオリジナル(最初の画像)と新作(続く2枚の画像)を比較してみて欲しい。

Rolex 116508
ロレックス Ref.116508 のアーカイブ写真。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
新作 Ref.126508。風防に映り込む反射がダイヤルのグリーンを引き立たせているが、そのほかの部分はよりブラックに近い色味となっている。

Rolex Daytona Ref. 126508 "John Mayer 2.0"
新作 Ref.126508 の別角度からのカット。

 前世代のRef.116508と比較すると、確かにグリーンはやや明るくなったように見える。ただし、ロレックスの製品ページに掲載されている画像(おそらくレンダリング)ほど劇的な違いではない。あの画像は、影も光の角度も存在しない不自然なライティング下で撮影されており、光の当たり方によってダイヤルの高光沢サンバースト仕上げがどのように表情を変えるか、つまり実機が持つ本来の魅力をほとんど捉えていない。実際には影や柔らかな光の下では、ダイヤルのメイン部分はぐっと暗くなり、グリーンの色味はインダイヤルの放射部分や、光のハイライトが当たって緑がかすかに輝く部分でのみ現れる。たしかに違いはあるが、それはインダイヤルの明度が増したことによって際立って見える側面が大きい。場合によってはむしろ以前よりも控えめに見えることさえあるかもしれない。

Rolex 126508
 Ref.126508も、前モデルと同様に“5ライン”仕様となっている。すなわち、文字盤上にはRolex、Oyster Perpetual、Superlative Chronometer、Officially Certified、Cosmographの5行の表記が並ぶ。また6時位置のインダイヤル(スモールセコンドを表示)上部には、従来同様に赤いデイトナロゴが配されている。YG調のスプレー仕上げが施された各インダイヤルの中心部には、針の軸を起点に放射状のサンバースト仕上げが施されている。その周囲には、従来の赤に代わって黄色のプリントサークルが追加されており、目盛りはマットな仕上げのなかにブラックで印刷されている。針とアプライドインデックスはYG製で、いずれもクロマライト夜光を備えている。

Rolex 126508
 おそらく、今回のモデルにおける最も重要なアップデートは、新たに搭載されたCal.4131である。このムーブメントは、2023年以降のデイトナコレクションに採用されている、垂直クラッチとコラムホイールを備えた新世代のムーブメント群のひとつであり、プラチナ製デイトナ(ル・マンモデル)ではシースルーバックを通じてその姿を確認することができる(ル・マンモデルに搭載されているのはCal.4132)。初代“ジョン・メイヤー”の生産終了は、このCal.4130の終焉とも連動していた。ロレックスとしては、旧型ムーブメントと新型ムーブメントの2系統を同時に生産し続けるような体制は避けたかったのだろう。ただし同時に、製品ライン全体を一気に刷新することも望まなかったようだ。

 Cal.4131は、2万8800振動/時で作動し、72時間のパワーリザーブを備える。クロナジーエスケープメント、パラフレックス・ショックアブソーバー、最適化されたボールベアリングを搭載し、前モデルのCal.4130よりも部品点数が少ない一方で、仕上げはより洗練されている。とはいえその仕上げを見ることはできない。というのも、ロレックスはこのモデルにシースルーバックを採用せず、裏蓋をクローズドに保っているからだ。個人的には、この判断に何の不満もない。ロレックスのムーブメントは、工業製品としては最高レベルの仕上がりを誇るが、それをわざわざ見たいとは思わないし、むしろ私は裏蓋に刻印ができる方が好ましいとさえ思っている。とはいえ新ムーブメントが注目の的になることはまれであり、今回もやはり主役の座を奪ったのはダイヤルであった。

2000ドル以下で選ぶ、夏を楽しむための腕時計7本

2025.06.30 (月)

春の陽気を感じはじめると、私はまるで多重人格のように時計の趣味が豹変する。これまでのネオヴィンテージや小径ケースへの愛着いったん脇に置かれ、気軽で楽しく、そして外でのアクティビティにも付き合ってくれるような時計を求めはじめるのだ。たとえばグラベルバイクでのトレーニング中や、湖に飛び込む瞬間に寄り添ってくれる、非接続型の頼れる相棒としてなど。楽しい腕時計はツールウォッチ並みのタフさから、時刻も伝えるポップアートのようなモデルまで、品質やスタイルを犠牲にすることなく適正な価格で手に入る。夏に向けたインスピレーションが欲しいなら、次のリストをぜひチェックして欲しい。ビーチでの1日、湖畔の週末、あるいは陽だまりの帰り道にもぴったりなセレクションを紹介する。

スウォッチ スクーバクア
ウブロスーパーコピー代引き 激安バイオセラミック製の44mm径スウォッチ、スクーバクアはその大振りなサイズ感も相まって、価格以上の満足感をもたらしてくれる。今季は新たに4色の夏らしいカラーバリエーションが登場。雰囲気はどこか懐かしくもシンプルで、オリジナルスウォッチに通じる親しみやすく透明感のあるサマーピースである。一見するとおもちゃのような愛嬌を持ちながらも、水泳やシュノーケリングにも対応する本格的な性能を備えている点が見逃せない。ベゼルには夜光付きの15分トラックを備え、100mの防水性能を誇る。ラバーストラップは安心感のある爪のようなスウォッチ独自のラグ構造でケースに接続されており、ケースからストラップにかけてはツートーンのフレッシュなデザインが統一されている。10時位置に配置されたリューズも使い勝手を考慮したエルゴノミックな設計だ。

swatch scubaqua
 スクーバクアはその名前以上にファンキーなスウォッチであり、厚さ15.4mmのケースながらも価格は非常にお手ごろ。予算にやさしい点も大きな魅力だ。手首での存在感を控えめにしたいならブラック シー ネトルがうってつけだが、私のおすすめは90年代的なフラッシュ感をためらいなく放つオーレリア・オーリタバージョン。クラゲにちなんだその名のとおり、3色の針が遊び心を加えてくれる。

 価格はラバーストラップ仕様で2万2550円(税込)。詳細はスウォッチ公式サイトから。

トゥセノー シェルバック V2
 スウェーデン発のトゥセノー(Tusenö)は、ツールウォッチという国際言語を巧みに操るブランドである。一見すると、ケースデザインにはセイコーの62MASリデザインをほうふつとさせる要素があり、最近の小径化トレンドのなかであえて40mmというサイズを貫くダイバーズウォッチだ。だが、シェルバックは単なる懐古趣味にとどまらない、揺るぎないモダニティを宿しており、ルミノバの発光性能も一級品である。実際、手首につけて試したことがあり、その精密なつくり込み、すっきりとしたモダンなライン、そして驚くほどのルミナスに太鼓判を押したい。なかでも印象的なのは、6時位置のスマイリーフェイスのロゴのような意外性あるディテール。タイポグラフィにこだわる人には少々引っかかるかもしれないが、時針がゆっくりとその上を通過する際、ロゴの文字が時針先端の円形フレームにぴたりと収まる様子は思わず見入ってしまう精緻な遊び心だ。

tuseno shellback
 こうした小さなことが違いを生み、鮮やかなサンドイッチダイヤルや堅牢なブレスレットデザインもその一因である。この分野で完成度を突き詰められるブランドは意外と少ない。とりわけテーパードのフラットリンクデザインは、どこかタグ・ホイヤーを想起させる仕上がりで、ずっしりとした存在感を放つ。全面サテン仕上げでたわみは一切なく、ダイバーズクラスプには3段階で調整可能なスライド式マイクロアジャスト機構を搭載。さらに表面には1200ビッカースの硬化処理が施されており、ヘアラインの傷を効果的に防いでくれる。仮にこれが完全にアジア製の時計であったとしても、私はシェルバック V2を高く評価したと思う。だが実際にはスイス製であり、ムーブメントにはセリタ製SW200のエラボレグレードを採用している。これが1000ドル(日本円で約14万円)を大きく下回る価格で手に入るのだから、その価値は疑いようがない。

 価格はステンレススティール製ブレスレット仕様で749ドル(日本円で約11万円)。詳細はトゥセノー公式サイトから。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフ
 私は、初代フォーミュラ1コレクションのカタログを所有していた世代であり、それが時計への情熱に火をつけた大きなきっかけであった。多くの人にとっても、あのモデルはスイス時計への入門編として機能し、気がつけば目まぐるしく回る時計収集のメリーゴーラウンドへと誘われることになった。私の場合、その回転は今も止まることがない。そして今回、タグ・ホイヤーが投入した最新のソーラーグラフバージョンは、その原点を鮮やかに呼び起こしてくれるモデルだった。これはブランドにとっても実に堅実な一手である。

tag heurer F1 solargraph
 初代フォーミュラ1を覚えている世代であれば、クォーツのツールウォッチとしてはやや高価に感じるかもしれない。だが実際に手に取ってそのクオリティを目の当たりにすれば、38mmのこのスポーツウォッチが、その価格に見合うものであることはすぐに分かるはずだ。さらにすべてのモデルが、太陽光で充電されるソーラー駆動式。外に出て、ついでに日焼けも楽しもう。

 ブレスレット仕様で価格は28万6000円(税込)。詳細はタグ・ホイヤー公式サイトから。

ドクサ サブ 200T アクアマリン
 ヴィンテージテイストのダイバーズウォッチへの熱が冷めつつある、という声も聞かれるが、ドクサ(Doxa)はその流れに真っ向から反論している。私自身、かつてサブ 300を所有していたことがあり、今でも手放したことを後悔している。そんななかサブ 200Tの再設計されたケースを目にして、その思いはいっそう強まった。このモデルは、私の夏のウィッシュリストに確実に加わる1本だ。ドクサならではのブランドDNAと、(ジャック=イヴ・)クストーの伝統をしっかりと受け継ぎつつ、それをコンパクトな39mmサイズに凝縮した魅力的な仕上がりとなっている。

doxa 200T aquamarine
 200mの防水性能を、厚さわずか10.7mmというスリムなケースに収めたこのモデルは、日常使いに理想的なスポーツウォッチといえる。ムーブメントには信頼性の高いスイス製のセリタ SW200-1を搭載しており、無駄のない堅実な構成が魅力だ。私が夏の1本として断然おすすめしたいのは、アクアマリンのモデルに見る涼やかなターコイズの輝き。このカラーはヴィンテージ感あふれるデザインにモダンなコントラストを添えており、実に見事なバランスを実現している。

 装着感に優れたFKMラバーストラップ(ダイヤルと同色)仕様で価格は1550ドル(日本円で約22万円)。詳細はドクサ公式サイトから。

マラソン MSAR アークティック エディション 36mm
 近年、多くのアウトドア愛好家たちはGPS機能を備えたスマートウォッチを愛用しているが、私にとってマラソン(Marathon) MSAR アークティック エディション 36mmはそうした流行への、堅牢かつ小型のアナログな解決策のような存在である。マラソンファミリーのなかで最小サイズとなるこのモデルは、36mmのSSケースに収められた堅牢な構造を持ち、13mmという安心感ある厚みと18mm幅のソフトラバーストラップが装着感を高めている。その小ささに反して、タフさと存在感をしっかり兼ね備えたモデルである。

marathon MSAR
MSAR アークティック 36mmの自動巻きモデルは、この冒険譚に登場するコール・ペニントンが実際に着用していた1本である。

 この時計は、まさにツールという言葉の真の意味を体現しており、300m防水を誇るダイバーズスペックの堅牢さと、フィールドウォッチを思わせる24時間表示付きのクリアなホワイトダイヤルを融合させた、魅力的な時計だ。60分スケールのベゼルも操作感に優れ、タイミング計測に重宝する。ムーブメントにはETA製ハイトルクFØ6クォーツを搭載。年差±10秒という高精度と、まさに防弾級の信頼性を誇る。またトリチウムガス入りのインデックスは常時発光するため、私が計画している亜寒帯のキャンプ地でも大いに役立つはずだ。

 ラバーストラップ仕様で価格は900ドル(日本円で約13万円)。詳細はマラソン公式サイトから。

ファーラー アーバー リッサム
 暑さが押し寄せるこれからの季節、気分までゆったりと緩やかになってくる日もある。そんなときにぴったりなのが、英国ブランドファーラー(Farer)が提案する新作リッサム コレクションだ。38mmというサイズ感も手伝い、リラックスしたエレガンスが際立つ。なかでもアーバー リッサムはラズベリーレッドのダイヤルが印象的で、ヴィンテージ感を漂わせつつもそこにはモダンな解釈がしっかり息づいている。アプライドのローマ数字インデックスはすっきりとしたデザインで視認性にも優れており、スーパールミノバとセラミックを融合させたLumicast®素材が暗所での視認性をさらに高めている点も見逃せない。クラシカルと現代性が絶妙に交差するこのモデルは、暑い季節のゆるやかな一日を彩るのに最適である。

farer lissom watch
 テクスチャーのあるダイヤルの上でオレンジのスモールセコンド針が鮮やかに際立ち、さらに同系色のラズベリーカラーのスエードストラップがこのモデルの魅力を決定づけている。マットブラックのモノクロなツールウォッチを愛する人にとっては思わず眉をひそめたくなるかもしれない。だがそれこそが新しい季節を楽しむための最良の選択肢なのかもしれない。アーバー リッサムはスイス製で、ムーブメントにはラ・ジュー・ペレ製の手巻きD100ムーブメントを搭載。ソワニエグレード(Soigné-grade)で4姿勢調整済み、青焼きビスやブランド独自の装飾が施されるなど、仕上げにも抜かりがない。洗練されたデザインとスリムな装着感を兼ね備えたリッサム コレクションは、カラーで笑顔を誘い、価格以上の価値を提供してくれる。

 価格はストラップの種類にかかわらず1295ドル(日本円で約19万円)。詳細はファーラー公式サイトから。

ミスター・ジョーンズ カオシファイ
 夏のある日には、時間のことなど思い出したくもない。そんな気分になることがある。だからこそ私は読みやすさを少し犠牲にしてでも、ミスター・ジョーンズ(Mr Jones)の芸術的な腕時計を選びたくなるのだ。ロンドンのコヴェント・ガーデンに拠点を構えるこのブランドは、アーティストやイラストレーターに依頼し、SS製のケースを表現のキャンバスへと変貌させている。その一例が、イラストレーターMr. Philによってデザインされたカオシファイ メカニカル(Khaosify Mechanical)。40mmのこのモデルは伝統的な針を排した設計で、想像力の表現そのものといえる。時刻の読み取りもユニークで、白い雲の目のキャラクターが時を、白い矢印状の生き物が分を示す仕組みになっている。まさに時を忘れて楽しむための、アートピースとしての腕時計である。

mr jones watch
 こうしたキャラクターたちは、薄い透明ディスクに多層プリントで描かれており、なかにはムーブメント本体、セリタ SW200にも大胆にプリントされたものが存在する。ミスター・ジョーンズウォッチと同様、カオシファイは時計づくりとデザインにおけるアートを、肩の力を抜いた楽しい視点から捉えたものである。

 レザーストラップ仕様で価格は695ドル(日本円で約10万円)。詳細はミスター・ジョーンズ公式サイトから。

レイモンド・ウェイル GPHG受賞作のミレジムに9本の新作が新登場。

2025.06.30 (月)

レイモンド・ウェイル GPHG受賞作のミレジムに9本の新作が新登場。

ヴィンテージに着想を得た進化が、ラグジュアリーな時計製造をより広い層へ。

レイモンド・ウェイルはこの春、ロレックススーパーコピー代引き 激安9つの新作モデルを発表することで、記念年を待たずともブランドが大きなインパクトを与えられることを証明しました。ジュネーブを拠点とする家族経営の時計ブランドは、2026年に迎える創業50周年を前に、すでにその存在感を強く打ち出しています。評価の高いミレジムコレクションに、6本の新しい35mmモデルと3本の新しい39mmクロノグラフを加えることで、初代モデルの成功をさらに発展させています。

まずは、2023年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でチャレンジ部門を受賞した、ミレジム スモールセコンドから紹介しましょう。このコレクションには、ヴィンテージの精神と成功の鍵となった精緻なウォッチメイキングのディテールを受け継ぐ新たな35mmモデルが4本加わり、ラインナップがさらに充実しました。スティール製の3モデルはサーモンカラーのダイヤルにグレーストラップ、ミントカラーのアクセントを効かせたアンスラサイトダイヤルにエイジング加工のブラウンレザーストラップ、そしてシルバーダイヤルにグレーストラップというラインナップです。4本目のモデルは、クリーム色のダイヤルにローズゴールドPVDケース、バーガンディストラップを組み合わせ、ラグにはラボグロウンダイヤモンド16石があしらわれています。ドーム型のサファイアクリスタルはレトロな雰囲気を高めながら、優れた視認性も確保しています。

センターセコンドを好む方のために、レイモンド・ウェイルはふたつのバリエーションを追加しました。ひとつは光の加減で繊細に表情を変えるセージグリーンのダイヤル。もうひとつは、ラボグロウンダイヤモンド16石をあしらったケースに、上品なクリームダイヤルを組み合わせたモデルです。いずれも、しなやかで快適な装着感をもたらす5連リンクのSSブレスレットを備えています。

今回の新作コレクションを締めくくるのは、3・6・9時位置にインダイヤルを配した3本の新しい39mmクロノグラフで、リバースパンダから着想を得たデザインが特徴です。SSモデルはアンスラサイトのダイヤルにシルバーのインダイヤルを組み合わせ、ヴィンテージスタイルのスーパールミノバ入りインデックスを備えています。一方、よりラグジュアリーな雰囲気を醸すローズゴールドPVDコーティングのスティール製モデルは、ブラックダイヤルにホワイトのカウンターを配し、ドレッシーな印象に仕上がっています。オベリスク型の針と、厚さわずか12.9mmのスリムなケースフォルムにより、抜群の装着感を実現。シースルーバックのケース越しには美しく仕上げられたムーブメントを堪能することができます。

Raymond Weil Chronograph
ムーブメントについて触れると、スモールセコンドモデルには機械式自動巻きCal.RW4250が、センターセコンドモデルには同じく自動巻きのRW4200が搭載されており、いずれも約41時間のパワーリザーブを備えています。またクロノグラフには、最大約62時間のパワーリザーブを誇る自動巻き機械式ムーブメントRW5030が搭載されています。

価格は、35mmのミレジムコレクションが34万1000円から41万8000円、クロノグラフモデルは3625ドル(日本円で約52万円)から3775ドル(日本円で約54万円)となっています(編注;新作クロノグラフモデルは日本での展開はなし)。

我々の考え
レイモンド・ウェイルが2023年のGPHGチャレンジ賞を受賞したのは、当然の結果と言えるでしょう。今回拡充されたミレジムコレクションは、ヴィンテージに着想を得たデザインと現代的な洗練が見事に調和しており、非常に印象的です。このコレクションはいくつもの魅力的なポイントを備えています。まず優雅な美観、なかでもサーモンダイヤルは特に引きつけられる存在です。さらに35mmと39mmという汎用性の高いケースサイズは、さまざまな手首にフィットします。そして経済情勢が不透明な今の時代においても手の届く価格設定である点も見逃せません。個人的にも、このコレクションには大きな魅力を感じています。

RW 35mm on steel braclet
 とりわけ私が引かれるのは、セクターダイヤルやスモールセコンドといった伝統的なウォッチメイキングの要素を取り入れつつ、現代的な雰囲気を損なわずに仕上げている点です。繊細なカラーバリエーションや仕上げ技法の数々は、手の届く価格帯でありながら、レイモンド・ウェイルが細部にまで心を配っていることを物語っています。CEOのエリー・ベルンハイム(Elie Bernheim)氏が語るように、これらの時計は“スイスウォッチメイキングの伝統に対する献身”を反映しつつ、同時に“手に取りやすい価格”であることを目指しています。価値がますます重視される現在の市場において、こうした理念はまさに評価に値すると言えるでしょう。

 2026年に迎えるブランド創業50周年に向けて、レイモンド・ウェイルがどのようなサプライズを用意しているのか、想像が膨らみます。もし今回のミレジムコレクションがその前触れであるとすれば、私たちは間違いなく特別な何かを目にすることになるでしょう。

基本情報
ブランド: レイモンド・ウェイル(Raymond Weil)

ミレジム スモールセコンド(Millesime Small Seconds)
型番: 2130-STC-80001(サーモンダイヤル)/2130-STC-60521(アンスラサイトダイヤル)/2130-STC-65001(シルバーダイヤル)/2130-C5S-64001(ローズゴールドPVD)
直径: 35mm
厚さ: 10.25mm
ケース素材: ステンレススティール/RGPVDコーティングのSS(2130-C5S-64001)
文字盤: サーモン/アンスラサイト/シルバー/クリーム
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: グレーカーフレザー(2130-STC-80001、2130-STC-65001)/ブラウンカーフレザー(2130-STC-60521)/バーガンディカーフレザー(2130-C5S-64001)、すべてSSバックル(2130-C5S-64001はRGPVD加工)

ミレジム センターセコンド(Millesime Central Seconds)
型番: 2125-ST-52011(セージグリーンダイヤル)/2125-STS-64001(クリームダイヤル)
直径: 35mm
厚さ: 9.18mm
ケース素材: SS
文字盤: セージグリーン/クリーム
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレット、フォールディングクラスプ(ダブルプッシュ式セキュリティシステム付き)

ミレジム クロノグラフ 39mm(Millesime Chronograph 39mm)
型番: 7765-ST-60651(アンスラサイト×シルバー×ブレス)/7765-STC-6065(アンスラサイト×シルバー×カーフ)/7765-PC5-20631(ブラック×ホワイト)
直径: 39mm
厚さ: 12.9mm
ケース素材: SS/RGPVDコーティングのSS
文字盤: アンスラサイト×シルバー/ブラック×ホワイト
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: SSブレスレット/キャメルカーフレザーストラップ/ブラックカーフレザーストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: RW4250(スモールセコンド)/RW4200(センターセコンド)/RW5030(クロノグラフ)
機能: 時・分表示、スモールセコンド(RW4250)/時・分表示、センターセコンド(RW4200)/時・分表示、スモールセコンド、クロノグラフ(RW5030)
パワーリザーブ: 約41時間(スモールセコンドおよびセンターセコンド)/約62時間(クロノグラフ)
巻き上げ方式: 自動巻き

価格 & 発売時期
価格: 34万1000円(スモールセコンド)/41万8000円(スモールセコンド×RGPVD)/30万8000円(センターセコンド)/36万3000円(センターセコンド×ラボグロウンダイヤモンドケース)、すべて税込。
クロノグラフは3625ドル(日本円で約52万円)から3775ドル(日本円で約54万円)。日本での展開はなし

オリス ダイバーズ75 40mm キャリバー400 C.04 フォー コレクティブが新登場。

2025.06.18 (水)

オリスから2025年新作情報です。

オリススーパーコピー代引き 優良サイトロサンゼルスの時計ショップ「Collective Horology」とのコラボレーションモデルが登場。


ダイバーズ “セブンティファイブ”
私たちは1970年代のカリフォルニアのグラフィックデザインに注目し、ダイバーズ シックスティーファイブで私たちが最も気に入っている要素を引き出しました-70年代にふさわしいカラーパレットでアラビアダイヤルを復活させ、オリス独自のブロンズとスティールのバイカラーを採用し、自社製キャリバー400を搭載しました。このモデルはダイバーズシックスティーファイブではなく、ダイバーズ “セブンティーファイブ “なのです。

渋いですねぇ。

1970年代のカリフォルニアデザインだそうです。

ブロンズとスティールのコンビが面白いですし、文字盤の古めかしい雰囲気も良いですね。

ダイバーズ セブンティファイブには、120時間パワーリザーブの自社製キャリバー400ムーブメントを搭載、日付なしのカリフォルニアスタイルのレトロ文字盤、40mmケース、250本限定、先着150人にはスタンダードH “Seventy-Five “トラッカーハットが付きます。

現在はプレオーダー中で割引価格、633,600円だそうです。

早期オーダーはお得ですね。

レギュラーモデルのダイバーズ65 12H キャリバー400の国内定価は566,500円なので、ブロンズとのコンビネーションと考えれば高くはないでしょうか。

以前もダイバーズ 65でこのデザインありましたよね。

エンスージアストの時計
時計愛好家の多くがそうであるように、私たちもオリスが大好きだ。このブランドは誠実な時計を作るだけでなく、時計コミュニティで積極的な役割を果たしている。オリスは誠実な時計を作るだけでなく、時計コミュニティで積極的な役割を果たしている。

特にダイバーズシックスティファイブラインは、その不朽のデザイン、歴史的なつながり、そして着けやすさで時計愛好家に愛されています。実際、ゲイブが初めてオリスに袖を通したのは、そして今でも彼のお気に入りであるダイバーズシックスティーファイブ ドーヴィルでした。すらりとしたケースの輪郭から特徴的なアラビア文字盤まで、この時計には魅力がにじみ出ています。

“セブンティファイブ”
C.04でコレクティブは、1970年代のカリフォルニアのグラフィックデザインに注目し、オリスとダイバーズシックスティーファイブの最も愛する要素を引き出しました-70年代にふさわしいカラーパレットで日付のないオリジナルのアラビアダイヤルを復活させ、ブランド独自のブロンズとスティールのバイカラーを採用し、自社製キャリバー400ですべてをバックアップ。その結果、ちょっとした歴史小説が生まれた: このデザインは1970年代にオリスが生み出したものではありませんが、そうであった可能性は十分にあります。

オリスらしさ
この時計が可能な限りオリスらしさを備えていることは、私たちにとって重要なことでした。そのため、特徴的なアラビア文字盤、自社製ムーブメント、バイカラーのブレスレットとケースを採用しました。ツートーンカラーの時計にブロンズを使用するのは、オリスの特徴的なデザイン要素です。多くのブランドがゴールドキャップやPVDを使用する中、オリスはソリッドブロンズを使用し、よりオーセンティックで個性的なツートーンへのアプローチをとっています。この時計をオリス以外のものと見間違えることはないでしょう。

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Divers “Seventy-Five” Calibre 400 C.04


ORIS

Oris Divers “Seventy-Five” Calibre 400 C.04 for Collective (Pre-order)
Regular price ¥687,000 JPY
Limited-time Pre-order Pricing ¥633,600 JPY

全仕様
ケース
直径: 40 mm
ラグからラグまで: 48 mm
厚さ: 12.8 mm
ラグ幅: 20 mm
素材: ステンレススティール、ブロンズベゼル、アルミニウムベゼルインサート
トップガラス: サファイア、両面ドーム型、内面無反射コーティング
裏蓋: サファイア、特殊エングレービング、ネジ込み式
操作装置: ステンレススティール製ねじ込み式リューズ
防水性: 10気圧
ムーブメント
番号 オリス 400
寸法 Ø 30 mm, 13 1/4”’
機能 センター時分針、ファインタイムチューニング、ストップセコンド針
巻上げ: 自動巻き
パワーリザーブ: 120時間
振動数: 28’800 A/h、4 Hz
ジュエル: 21
文字盤
スタイル: 1970年代カリフォルニア・デザインのアラビア文字盤
夜光素材: インデックスと針にスーパールミノバ
ブレスレット
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティールとブロンズのバイカラー
MATERIAL: マルチピース・ブロンズメタル・ブレスレット、フォールディング・クラスプ

STANDARD H “Seventy-Five “トラッカーハット
先着150名の予約注文には、STANDARD H “Seventy-Five “トラッカーハット(上写真)が含まれます。

2022年にWindup Chicagoでウェズリー・スミスと出会ってから、私たちはすぐに友達になり、彼はすぐにコレクティブのメンバーになりました。ウェズリーは時計が大好きで、心が広いという共通点だけでなく、彼のアパレル・ラインであるSTANDARD Hのスタイルと品質も気に入っています。


ダイバーズの “Seventy-Five “は、私たちの共通の故郷である南カリフォルニアを祝福するものであるため、私たちはすぐにウェスリーに、それに付随する帽子を作ることについて連絡を取りました。

STANDARD Hの “Seventy-Five “トラッカーハットのクラウンは3.5インチで、頭の小さい人でもちょうどいい高さになっている。メッシュは私たちが見つけた中で最もソフトで快適なメッシュで、その通気性は暑い日には欠かせない。

まとめ


いかがでしょうか?

「【2025年新作】オリス ダイバーズ75 40mm キャリバー400 C.04 フォー コレクティブ」でした。

コレクティブのお客さんは比較的お金持ちなんでしょうね。

キャリバー400搭載機を広めるには良い企画だと思います。

コレクティブのこのコラボレーションモデルがめちゃくちゃ格好良いです。

Czapek Antarctique Lanikai P.04 for Collectiveだそうで、水色の砂の模様が最高に素敵ですね。

オリス ダイバーズ75 C.04 for Collectiveも気になった方は是非。

12月に発送だそうです。

それではまた!

秋冬に映える100万円以下のレザーストラップ ウォッチ 5選

2025.06.18 (水)

ようやく汗もかかずに移動できる「冬」が近づいてきました。

暦上では立冬ですが、長袖を着れるのは20度を下回らないと無理。ようやく朝方と夕暮れに20度以下の数字を見かけるようになってきましたかね。

と、スーパーコピー代引き 優良サイト言う事で今年もレザーストラップ仕様の腕時計を私の好みでピックアップしてご紹介していきます。

汗が嫌ならレザーストラップじゃなくてラバーストラップにすれば良いんじゃない?なんて野暮なことは言わないで。

レザーストラップだから良いんですよね~。

「40代にオススメ 秋冬に映える100万円以下のレザーストラップ ウォッチ 5選」と今年は100万円以下で探してみようかなと思います。

更に昨年とは異なり「大人スポーティ」をテーマに探しますよ。

レザーストラップはドレスウォッチだ!みたいな固定概念は「無し」で行きましょう。

中野ブロードウェイのジャックロードさんと、渋谷の宝石広場さんのホームページをディグります。

それではどうぞ。

オメガ シーマスター アクアテラ 231.53.39.21.08.001


1本目は宝石広場さんからオメガのシーマスターアクアテラの金無垢モデル 231.53.39.21.08.001 です。

40代ならゴールドも似合うようになって来てるんじゃないでしょうか?

私も20代30代では「金なんかオッサンの時計だわ」なんて思っていましたが、実際に年を重ねるとゴールドの良さに気付きます。

やっぱりね「肌」が枯れてくると「金」が映えるんですよwww

かと言ってこのご時世、金は高い・・・

そんな悩みは中古品で解決!

マスター コーアクシャル クロノメータームーブメントを搭載した38.5mmの丁度良いサイズが最高にオススメできるこちらは100万円以下。

メンテナンスと外装の仕上げを施されていますし、保証書も付属していますよ。

定価は2,486,000円でしたし、ヨドバシカメラでは並行品が200万円で販売されています。

コレは良いですね。

ブラウンカラーのストラップも似合いそうです。

ブライトリング AVI REF. 765 1953 RE Edition AB0920131B1X1

2本目はブライトリング AVI 765 1953 リ・エディションです。

41mmと存在感がありますが、このビンテージ感が最高なんです。

主張の控えめなスティールベゼルはスーツにもフィットします。

2018年の限定モデルなので新品で探すのは困難ですが、中古品なら定価以下でお買い得に購入可能。

ブライトリングの リ・エディションシリーズは全て素敵ですので、是非1度手に取って欲しいですね。

AVI 765 1953 リ・エディションにはライトブラウンのカーフストラップが合うんじゃないでしょうか?

ブレゲ タイプXX アエロナバル 3800ST/92/9W6


3本目はブレゲ タイプXX アエロナバル 3800ST/92/9W6です。

今年新作がリリースされたタイプXXですが、私はやっぱりこの「アエロナバル 3800ST」が1番好き!

サイズは39mmですが、厚みがあり「ポテン」としたフォルムで小さく感じさせません。

サイズ感と言い、デザインと言い、最高傑作だと思います。

息子のバースイヤーウォッチにサブマリーナーかアエロナバルか悩んだほど(結局ロレックスにしましたけど)。

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3800STの中古相場もジワジワあがっておりますので、気になった方は是非。

上がったとは言え、新作よりだいぶ安いですからね。

フライバック機能付きのクロノグラフ。

オススメです。

チューダー ブラックベイ プロ 79470-0003


4本目はチューダーのブラックベイ プロ 79470-0003 です。

ブラックベイにGMT機能が追加されたモデル。

ブラックベイ プロはスティールブレスレット仕様も選べますが、今回はレザーストラップ仕様をピックアップ。

レザーの方が安いのと、ストラップ交換をガンガン楽しめますのでオススメなんです。

ブラックベイ プロはとにかくデザインが良いんですよ。

まさに初代エクスプローラーII 1655ですね、ロレックスのやらないヘリテージシリーズをチューダーが実現。

ブラックベイらしさも残しつつ「エクスプローラーII」感も出ています。

39mmですが厚みがそこそこあるので小さく感じませんし使いやすいです。

パワーリザーブ70時間も、200m防水も悪くありませんよね?

40万円台ですのでセカンドウォッチにいかがでしょうか?

パネライ ラジオミールベース PAM00210


最後はレザーストラップ仕様のスポーツモデルと言えばのパネライから、2011年に生産終了してしまったラジオミールベース PAM00210です。

ベースって言うくらいですからね、ここを通らなきゃパネライのラジオミールは語れませんw

45mmですが意外にフィットしますし、見やすいし。

80年前に完成してますね。

ルミノールマリーナほど大きく感じませんし、オシャレですらあります。

最近パネライは復調気味ですよね。

素敵なモデルが多くなってきた半面、高額なモデルばかりになっていますので、この辺でちょっと前に流行ったモデルを掘り起こしてみるのも悪くないと思います。

基本デザインは同じですから・・・

人気再燃なるか?

まとめ


いかがでしょうか?

「40代にオススメ 秋冬に映える100万円以下のレザーストラップ ウォッチ 5選【2023年版】」でした。

レザーストラップのスポーツウォッチ、どうでしょうか?

まぁミリタリー系は元々ストラップ仕様が多いので、絶対に似合っちゃうんですけれど、やっぱり現代のスポーツモデルはブレスレット仕様が多めですよね。

ですので「敢えて」レザーストラップで。

オシャレなストラップや機能的なストラップに交換して楽しむのも1つの時計カルチャー。

時計好きなら是非トライしてみて欲しいです。

お休みの日のセカンドウォッチでも良いですし、毎日使う1軍にセットされてもOK。

どれも渋く、そして格好良く、飽きのこない武骨なデザイン。

個人的には金無垢のアクアテラに興味があります。

もう100万円以下で好みにあった金無垢モデルを探すのは本当に大変。

皆さんもご検討ください。

それではまた!

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